No.159『剣』

公開年:1964年
原作:三島由紀夫
監督:三隅研次
脚本:舟橋和郎
ジャンル:青年心は闇鍋な文芸映画

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「剣」はすごく変わったスポ根映画であります。

当ブログで「すごく変わった」と書くと「トンデモB級スポ根エロ映画だろ」と思われそうですが、謎の超スポーツ理論やエロ特訓や変な必殺技は出てきません。スポーツ描写は精神論・根性論に相当傾いてますが一応オーソドックスです。
原作は三島由紀夫ですが、『憂国』みたく俺様前衛シーンが出るでもなく、三島先生がチョイ役で出てチンピラごっこや筋肉自慢もしませんwちょっと残念w

では何が「すごく変わった」スポ根なのか。それは「主人公のメンタルが闇鍋」なのであります。
なんだありがちな荒れる青少年の心の闇かよ、じゃなくて「闇鍋」。
そのこころは、鍋の中に半端なくやばいもんが入ってると薄々感じるけど、ちょっとはっきり見たくないし食ってみたくもないw
なぞかけみたいですが映画観ればわかる。まぁ観てみてください。

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No.148『裸の十九才』

公開年:1970年
監督:新藤兼人
脚本:関功、松田昭三
ジャンル:昭和の連続殺人鬼・永山則夫の生涯ダイジェスト

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ただ今絶賛夏バテ中。
あっつー。
だりい。しんどい。寝れねえ。食欲ねえ。

でも夏を乗り越えるならスタミナ補給しなきゃね!と昼休みにスリランカカレーを食べてきた。うまかったー。
そして寝れない夜は冷房効いた部屋でぐーたら映画鑑賞w今回はパンチのきいた新藤兼人監督作品で攻めてみる。
誰もがなんとなく名前を聞いた事があると思う、19歳の連続殺人犯・永山則夫の生い立ちをモデルに描いた社会派系映画です。

「凶悪殺人犯の心の闇を追った問題作」は社会派系監督のお得意ネタだが、しかし逮捕されたのが1969年4月で→映画公開が1970年10月って。撮ってすぐ出しなスピード感が凄い。いくら自前レーベル製作のインディペンデント映画といえ、1年半でちゃっちゃと作っちゃったのか!
にしては、きっちり面白い仕上がりにびっくり。
モノクロ画面&社会派映画でありがちな「殺人の裏に潜んだ社会の不条理を問う!」的な意識高い雰囲気も無く、脚本が適度に下世話を狙ってていい。
演出もスピーディだし、ほどよく前衛サブカル風味をまぶしてあって観やすいです。
俳優もうめめち好みの「いつもの昭和前衛脇役メンバー」が揃ってますし、もちろん新藤兼人作品の定番ヒロイン・乙羽信子もみどころです。今回は意外なところで演技力?化け力?にびっくり。

しかし原田大二郎が私のイメージの原田大二郎と全然違う。
うるさくないし熱血キャラじゃないw

まあ私の原田大二郎イメージってほぼ100%「天才・たけしの元気が出るテレビ」の学園コント由来なんだが。
思えば松方弘樹・的場浩司・XJAPAN・山本太郎・志垣太郎・浪越徳治郎もそうか。「元気が出るテレビ」の刷り込み能力恐るべし。

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No.141『雁の寺』

公開年:1962年
原作:水上勉
監督:川島雄三
脚本:舟橋和郎、川島雄三
ジャンル:小坊主が後家によろめき炎上な文芸サスペンス

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寒~い冬に暗くて寒~い日本映画。
京都の陰険な寒さが五臓六腑に沁みる、昭和お文芸サスペンス映画はいかがでしょう。

原作はDVDのパッケージ写真そのまんまで、エロタコ坊主と後家の女盛り若尾文子と住み込み奉公の小坊主少年との危ない関係という、何ともげっすいドロドロ文芸小説。
子供時代に京都の名寺でこき使われたという水上勉の恨みつらみがじっとり籠ってますが、川島雄三監督のシニカルでひとひねりある描写でブラックだけど観やすい映画になってます。

でもまぁ、本作のラストシーンは私が観た中で「なんやねんこれ!唖然茫然な謎オチ映画」の三本の指に入る出来栄えだw
未見の方はどうぞお楽しみくださいw
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No.137『白昼の通り魔』

公開年:1966年
原作:武田泰淳
監督:大島渚
脚本:田村孟
ジャンル:愛と純情と欲望が渦巻く通り魔映画

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「欲望に向かって爆走する人間動物!」って煽り文句が凄いわw
嫌~な感じにギットリ熱い大島渚監督作品。

タイトルは連続通り魔犯罪映画ですが、通り魔犯罪そのものより犯罪の背後にある若い男女2組の恋愛がメインテーマ。
しかも青春のせつない片思いすれ違い。
意外に男の純情が胸キュンで泣ける。

大島作品の「男子の性とセンチメンタルを発露した青春もの」はやっぱり良いですねーな1本。
いや、やってる犯罪はまぎれもなく凶悪な連続通り魔強姦殺人ですけど。
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No.125『しとやかな獣』

公開年:1962年
監督:川島雄三
脚本:新藤兼人
ジャンル:クレクレ団地一家のシニカルコメディ

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あっつー。
ジメジメくそあっつー。
今は一年で一番嫌な暑さの季節。普通に過ごしててもイラッとくる日は破滅まっしぐらなバカ一家の話を観て、心を黒い溜飲で満たしたいものですね☆

「ひと皮むけば男も女もこんなもの」
身も蓋も無いキャッチコピーがステキぃ。

昔の映画なのでブラック度も下品度も控え目ですが、日本映画の名作と呼ばれる作品なのに、演出が前衛バリバリで狂ってる。
コメディの隙間に日本の戦後の闇がどろっと見えていい感じに後味悪いし、当ブログ的にもおすすめ。

偏見だが若尾文子様の公式イメージってこの映画の文子様だと思いますがいかがでしょう。
前髪を片側たらして白ブラウス&黒タイトスカート、煙草をくゆらせてうっふーん
ステキだわー。
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