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No.073『TOKYO-POP』

製作年:1987年
監督:フラン・ルーベル・クズイ
脚本:フラン・ルーベル・クズイ
ジャンル:80年代日本のガールロック&ラブストーリー

073.jpg

昔VHSで観た記憶があるんですが、未DVD化な様子。面白いのに残念だ。
ダイヤモンド☆ユカイをテレビで観て思い出した。

バブル時代の東京にボコボコ沸いて出た80年代インディーロックカルチャーの何でもアリな雑多な熱気をぎゅっと閉じ込めた、今では貴重なキッチュ可愛い映画です。

外国人女子が異文化日本に来て四苦八苦するロスト・イン・トランスレーション要素たっぷりな王道ラブストーリーなので、見やすいですよ。『星くず兄弟の伝説』より、寒いサブカルノリも薄いしw
初期の岡崎京子とか好きな方は見てみても良いと思います。
★あらすじ(青字はネタバレあり

ロックシンガーを目指すアメリカ娘ウェンディ(キャリー・ハミルトン)は、ひょんなきっかけで歌手デビューのチャンスを求めて来日する。
でも頼りにしてた日本在住の友達はとっくに出国済み。ウェンディは1人で東京を彷徨う羽目になる。

街角で托鉢の坊主に驚いたり、見知らぬオヤジにテレホンカード(懐かしーw)を借り、かに道楽の前で(東京の話のはずだが)和製ボーイジョージなすげー服の英語が話せるオカマさんに道を尋ねて、やっと板橋区の外れの貧乏ガイジン宿にご到着。

★カラオケで泣きラブホで恋するニッポンライフ

ウェンディはガイジン宿を根城にしてバイトしながら生活費を稼ぎつつ、本物ロックの志を持つバンドメンバーを探す事にした。
でも慣れない日本でそうトントン拍子にいきはしない。
ガイジン宿の旅行者女子に紹介された塩沢とき経営のカラオケスナックでホステスのバイトをするも、日本人の酔っ払いリーマンとデュエットさせられ、バイト代はシビアにピンハネされ、終電逃してタクシー乗っても宿の場所が説明できない。
仕方なく途中でタクシーを降りて近くのラーメン屋台に入ったところ、ロック青年ヒロ(ダイヤモンド☆ユカイ)と出会う。

ユカイのキャラそのまんまなヒロは当然女大好きで、超ブロークンな片言英語で果敢にナンパアタック☆
「とりあえず宿を紹介する」と言われて連れていかれた場所はバリバリのラブホ
でも初対面の男とエッチする気になれないウェンディは、バスルームで一晩過ごす羽目になる。

ナンパ男にひどい目にあわされた!とヘコんでもそこはアメリカンラブコメだから、2人はたちまち恋に落ちる。
タケノコ族wが踊りまくる原宿ホコ天の雑踏でウェンディとヒロは偶然の再会。
クレープ屋でバイトwwwしながらインディーロックバンドやってるヒロに、ウェンディは今度は意気投合。アールヌーボー崩れのイタい内装のラブホへ行き、大画面で流れるAVビデオに触発されていい感じに。「早すぎるーもっとゆっくりー」と注文つけながらも無事メイクラブを果たす

★で、お決まりのロックバンド結成へ

晴れてできちゃったヒロ&ウェンディは神社温泉もんじゃ焼きとベタに東京観光デートするが、黙っちゃいないのがヒロのバンドメンバー。
バンドは目下レコード会社のオーディションに連敗中。メンバーは「俺らには目玉がいない」と痛感し、ウェンディをボーカルにして注目されよう!と提案する。
ウェンディはラブホでヒロの弾き語りを聞き、ロック魂に火が付いてバンド入りを承諾。
メンバーと音を合わせ、デモテープを作り、デモテープ持ってレコード会社に乗り込んで大物プロデューサー(丹波哲郎w)にあの手この手でロビー活動したりするが、なんか途中でメンバー同士喧嘩して物別れに終わる。

傷心のウェンディは塩沢ときのカラオケスナックでバイトを再開するが、心がすさんだはずみで女子プロレスラーと乱闘したのをFRIDAYに激写され、なんと武闘派ガイジンロッカーとして一躍有名人になるw
あっという間にアンアンの表紙!パチパチの表紙!笑っていいとも出演!ウォシュレットのCM出演!
なぜかタンスにゴンのCM出演wwwと大ブレイクを果たす。

しかしウェンディのおかげでバンドは有名になったものの、ウェンディのタレント活動が多忙すぎて活動が滞り、リハーサルもロクにできずメンバーの仲もまた悪化する。
私はロックシンガーとして成功したんじゃない、『ガイジンタレント』として面白がられてるに過ぎないと自覚したウェンディは、ヒロに思いを打ち明ける。
「今のバンドはロックじゃない。ただのトーキョー・ポップだわ。私がいる限りバンドはみんなに認められない」
ヒロは引き留めるが、彼女の決意は固かった。

★ラストはもちろん涙のラブソング

さてバンドは念願の渋谷公会堂ロックフェスに参戦を果たす。
だが演奏が始まってもウェンディはステージに出ない。
代わりにボーカルを務めるヒロが、ウェンディへのラブソングを切々と歌う。
バックステージで聞いてる彼女の瞳に感動の涙がにじむ。

最後、ウェンディはバンドを辞めてヒロと別れ東京を去り、心機一転アメリカでロックシンガーを目指して、ヒロとの思い出をつづった自作曲を力強く歌うのでありました。


★感想

普通のラブコメですが、面白い。
「外国人から見た東京」視点で描かれるため、当時を知らない平成世代でもすんなり観やすく面白がれると思います。
ロスト・イン・トランスレーション映画としては100点満点の出来です。

なにせ世界の大都市文化の中でも80年代バブルのカオストーキョーは、異文化度が群を抜いてすごすぎるwww
原宿、新宿、色んな場所でロケしまくった効果で、当時の街の勢いがそのままフィルムに映ってます。

浅草三社祭やカラオケや食玩レプリカなど、外国人が好きそうな日本アイテムも抑えてる上に、80年代独特の異文化エッセンスが詰めこまれてる。
まずガイジン宿「ミッキーハウス」の内装が強烈。実在するお宿だったらしいですが、福助人形とディズニーが混在する超キッチュ空間です。
ヒロ&ウェンディがラブホに行くシーンは伝説の80年代ゴージャスラブホ博物館みたいだし、ヒロの母ちゃん(春川ますみ)のエアロビ姿も、カフェバーも新宿アルタもニイミのおっさん看板も女子プロレスもボディコンギャルもタンスにゴンまで、うはwカオスw

風景風俗も面白いし、脇役キャスティングも面白い。
相変わらず偉そうな丹波哲郎プロデューサーに下町頑固ジジイ殿山泰司&下町オカン春川ますみ、と定番素材は押さえつつ、カメオ的なチョイ役で出てる面々が意外な顔ぶれで、かつあやしすぎてw異文化ジャパンムードを高めてくれます。えーあの人がこんなところに?的な面白さがあるのでチェックしてみてください。
私は塩沢ときが観れたのが何故かうれしかった。ド派手で福々しい色物おばちゃんで何気に好きだった。

★80Sファッションやバンドブームもきっちり押さえてます

ウェンディの80年代ファッションも可愛い。
ビッグシルエットにスタッズ散らしたジャケットとか、ZARAとかH&Mで売れそうだ。

あと、音楽映画だから一番の見どころは当時のロックバンド。
メインのレッド・ウォリアーズのライブより、80年代の有象無象のインディバンドが登場する場末のライブハウスの演奏風景や、レコード会社のオーディション風景が面白い。

懐かしのインディバンド発掘テレビ番組『イカすバンド天国』のノリに近いんだが、バンドというより初期の『あらびき団』を見るような
イカものカオスな匂いがしてすごく面白いw
髪立てまくってる時代のXJAPANも出てますし、当時のインディシーンに詳しいならより楽しめるかと。
うめめちのおすすめは映画序盤にライブハウスで『楽園楽園』をガツンとかましてくれる変態ガールズバンドのパパイヤパラノイア。



少年ナイフ系の不思議ちゃんなポップパンクなのに、音はベースブリッブリな変態ファンクを決めるというw
素晴らしいっす。聞いててアガる。

★ダイヤモンド☆ユカイが女にもてる理由

さて、最後にこの映画を観るきっかけになったダイヤモンド☆ユカイについて。
ユカイさんといえばモデル時代のユマ・サーマンをカンヌ映画祭でナンパで落とした武勇伝(しかもきっかけはこの映画)で名を馳せる、女大好きモテロッカーキャラですが、冷静に考えて「何でこいつが女にモテるねん?」と疑問に思ってた方も多いはず。
顔もスタイルも良くない割に態度ロックだし。
しかしこの映画を観ればユカイさんがモテる理由がなんとなくわかる気がします。

具体的にどこがどうモテるか説明しづらいですが、ラーメン屋やラブホでウェンディを口説くシーンで女子が落ちやすい笑顔をする(母性本能をくすぐる少年ぽさですかね。字で書くとむずがゆいが)、体当たりのボディコミュニケーションが強いところが「なるほどねー」と感じました。

あとベタですがロックミュージシャンが女にラブソングを歌うのは破壊力が半端無い。
映画でヒロがウェンディに歌うラブソングも、「うわーベタベタにありきたりなバラードやな~」と馬鹿にしつつも、自分がウェンディの立場なら100%落ちるわ、と不覚にも思ってしまいました。

プロ野球選手が「お前の為にホームラン打つぜ」
サッカー選手が「お前の為にゴールするぜ」
イケメン俳優が「お前に最高のプロポーズを捧げよう」
とかが束になっても、数千人数万人の観客が見てるステージ上で「お前にラブソングを歌うぜ」というシチュエーションがもたらす至福には敵わない。

もしできるなら一生に一度でいいからプロのロックシンガーにライブで歌われてみたいな、と少々胸キュンになってしまったうめめちなのでした。

(了)
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