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No.079『盲獣』

製作年:1969年
原作:江戸川乱歩
監督:増村保造
脚本:白坂依志夫
ジャンル:男と女体のメケメケ異常愛映画

79.jpg

何かの拍子にスチール写真を見てしまった、その瞬間からあなたの虜になりました。
江戸川乱歩映画のマイヘビロテNo.1。
今更語る必要もない名作だが語らせてくれ。
愛してる盲獣!

殺しの人数はたかだか3人だが、監禁、マザコン、SM、切断、なんでもあり。
ナチュラルボーンキラーズより頭ブッ飛んでる過激な悪趣味バカップルのお話です。
(我ながらたとえが90年代だな)

男はチャラい兄さんから変質異常者までさらっと演っちゃう変態イケメン船越英二。
ミューズは「石橋蓮司と1日5回やってた」伝説が脳裏に焼き付いて離れない緑魔子。
うらやましい…ってそこじゃないw
緑魔子って魔性全開な芸名を名乗れる資格のある女、ってのはマジでうらやましい。

原作、演技、衣装、セット、すべてメケメケ。
特濃牛乳超えて飲むヨーグルト並みに喉ごしの濃い、昭和の前衛怪奇映画です。

★予告編



踏み絵にどうぞ。
ちょっとでも興味沸いたらぜひ本編を!

★あらすじ(青字はネタバレあり

主人公は駆け出しモデルの島アキ(緑魔子)。
お芸術写真家の先生に上手くのせられちゃって、前衛SMヌード写真集を撮られた所から話が始まる。

鎖緊縛に貝殻ビキニ、360度回転ヌード曼荼羅など、檀蜜並みの汚れ仕事をアートに仕立ててみました~って感じの過激写真集の個展にて、一心不乱にヌード彫刻を撫でまわす不審すぎるキモ男(船越英二)を発見してドン引きするアキ。
何こいつ?と思いつつ帰宅してマッサージ呼んだら、なんとマッサージ師に拉致られる。

監禁場所は人里離れた謎のアトリエ。
拉致った男の正体は、あの不審すぎるキモ男。
名前は道夫。自称芸術家の盲目童貞ヒキニート。
父親の遺産をつぎこんで自宅隣にマイアトリエ建てて、ママン(千石規子)と2人きりで住んでいる。
こいついわく「究極の女体彫刻」を作るためのモデルとしてアキは連れて来られたのだ。

このマイアトリエってのがすげえんである。

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リアル壁に耳あり。

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目も壁にあり。


乳首も乳房も鼻も唇も手足も壁にボコボコ生えている楳図かずお級のホラー部屋に閉じ込められ、部屋中央に鎮座まします巨大女体彫刻をベッドにして、黒下着1枚で転がされてヒキニートに体撫で回されて、究極の彫刻ができるまでここで暮らせと。
絶対イヤーーー!!!

★男と女とママンの息詰まる攻防戦

もちろんアキはあの手この手で館から脱出を試みる。
仮病を使って看病させるスキを見て…とか、お色気攻撃でヒキニートを油断させて…とか。
でも脱出寸前でことごとく失敗する。

そこでアキは一転童貞男に惚れた振りしてママンの嫉妬心を掻き立て、「あたしの息子チャンを奪わないでキーッ!」と嫁姑の修羅場モードにさせよう作戦を立てる。
いかにもオンナな策ですが案の定ヒットして、ある夜ママンは息子の目を盗んでアキと大喧嘩。
「あたしの息子チャンを(略」→「でも彼はあたしに夢中よ」→「出てけ泥棒猫!」→「ええ出ていくわ!」の流れに持っていくはずが、うっかり取っ組み合いの肉体勝負に発展。
ババアなんか速攻で倒して出てってやるはずが、千石規子ママンは予想以上に強かった。

劣勢のアキが首絞められてると、道夫が発見して頭沸騰。「ママンやめてー」と仲裁に入り、さらに三つ巴で揉める。
喧嘩模様が母vs女から母vs息子へ流れ始めて、ふとアキとの間に隙が出来る。
やった、今度こそ脱出成功!となりかけたその時。
揉めたはずみでママンが頭打って死亡。

人を殺した興奮でリビドーが暴走する道夫はなぜかスコップで頭殴って流血しても死なない野獣と化し、勢いでアキをレイプする。

脱童貞で女体の味を覚えた道夫は、「やっぱり彫刻より生身の女だぁー!」と当たり前だろな結論に達して方向転換。
わかりやすいなw
道夫はお芸術なんか忘れてアキとセックス漬けになる。

★愛と触感と残虐プレイに溺れて

耳目手足がぼこぼこ生えたホラー部屋で毎日毎晩犯されまくるアキはとうとうストックホルム症候群を発症し、惚れた振りのはずが本気でフォーリンラブ。
そしてなぜかみるみる目が見えなくなり、道夫と同様に触覚に敏感になっていく…

そして覚醒するんです。
やってるだけじゃ刺激が足りないと。

まずは「咬んで」とおねだりしてみる。
「こうかぁ!」と道夫が肌を咬んでみる。
「もっとぉ!もっとよー!」
「こうかぁー!!」
歯型つくほど咬み咬みされて悶えるアキ。

こうして始まったSM愛は急速にエスカレート。
拳で殴り、鞭で叩き、縄で縛りあげ、血をすすり、血みどろナイフプレイで互いを傷つけてはリビドー沸きまくりで悶えまくる2人。
完全にイッちゃってます。

でも毎晩出血プレイで体液まき散らしちゃあスーパーリビドーな肉体もさすがに弱ってくる。
「このまま死ぬのね私達…」と息絶え絶えなアキは、「それならいっそ!」と究極のプレイを求める。

そのプレイとは、もう皆様お察しの通り。

道夫は彫刻家だから木槌を持ってますので、アキの腕の付け根に切れる刃を当てて
木槌をっ!コーン、コーンとっ!

ギャアアアアー!!
四肢切断っすよ。いわゆる芋虫ですね。
アキも全部切られるまで絶叫してますよ。
タフやなw

死の痛みと歓びに悶えながらアキは死亡。直後に道夫も胸を刺しまくって後を追う。
監禁から始まったバカップルの異常愛は、ある意味宿命の心中エンドを迎えるのでした。


★感想

いやぁ…
濃いわー。

何たって凄いのが野間重雄の美術セット。
よくもまぁこれだけ悪夢で変態でホラーな人体パーツぼこぼこ壁を作っちゃいましたよ。
想像力と造形力のたくましさにうっとりする。

しかも、序盤の個展とアキの部屋をのぞけば「登場人物3人、舞台はホラーハウスただひとつ」と思いきりシンプルな構成にしたのも素晴らしい。
だって映画始まって20分もしないのに部屋ネタも登場人物ネタもすべて惜しみなく出すんですよ。
タイタニックなら序盤で船沈む級のインパクト。

「どうすんの?この後1時間ネタあるのか?」と驚きますが心配御無用。
部屋の毒々パワーに神経を侵されたがごとき船越英二・緑魔子・千石規子のパワフルな演技合戦にもう釘づけ。
たった3人でグイグイ話を引っ張ってきます。

船越英二が白目むいてリビドー暴走すれば、緑魔子は黒下着一枚で暴れて絶叫し、千石規子は狂気のババア演技で突っ走る。
演技というよりくんずほぐれつの肉弾戦を観てるような凄まじさ。昭和オーバーアクト好きにはたまりません

★船越英二の童貞息子がハマリすぎて悶絶

しかし何と言っても一番の見どころは船越英二ですよ。

アーバン系?で軽~い二枚目が得意な人だから役柄的に水と油のはずだが、なんと水と油すら融合するハマリ具合。
「あーたまにいるねー顔マトモだから人並みに気をつかえばちょっとはもてるのに、従順なマザコン育ちなばっかりにイケメンになり損ねてなんかコドモオヤジになっちゃった、無駄に顔良い分キモさ倍増な中年オヤジ」と言いたくなる妙なリアリティがある。

特に終盤の濡れ場で脱いだ時の、ダルダルな腹ダルダルな尻とビミョーな形ビミョーな青色のトランクスがなんとも絶妙なマッチングで、中年童貞の哀しみを与えてましたw
二枚目俳優でこれを履くのは正直あっぱれ。

よく今どきイケメン俳優さんが「汚れ役演りたい。全然OK」な事言いますが、
ならば『盲獣』演じてみろよおまえ。
青いトランクスを喜んで履いてみろ!
とつい毒づきたくなりますね。

★ファッションもいいけどひとつ気になる木

緑魔子はパッツン前髪とタフ可愛い肉体で、和風ヌーヴェルバーグロリータと呼びたい小悪魔っぷり。
60年代な緑のワンピを脱げば黒下着、なんて悶絶ものに可愛いファッションなんだ

ひとつツッコミ挙げるとすれば、拉致られた時アキはマッサージ中で白のベビードールと白パンツだったはずが、アトリエ着いたら黒下着に変わってた。
上はまだアリとしてパンツ替えるか?誰が替えたんだ?

道夫は変態だが最初は純情童貞だったし、やっぱ千石規子ママンだろうか。
でも拉致を実行する短時間の合間に替えの服くらいは持ってくだろうけど、息子が拉致る若い女が監禁中に履くだろう替えのパンツまで頭が回るかなあ、自分が履く分を用意するならともかく。

まさか…自前…?
まさか…あのオカン顔オカン服の下は…

とか色々いけない想像を巡らせるのも楽しい映画なのでありました。

(了)

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