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No.081『江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者』

製作年:1976年
原作:江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』ほか
監督:田中登
脚本:いどあきお
ジャンル:のぞきで変態な大正頽廃エロロマン
注記:R-18指定ポルノ映画

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数々の魅力的なエログロ変態キャラで満ちあふれる江戸川乱歩作品でも、人気の高い3大キャラといえば。

まず明智小五郎。まぁ当たり前だ。
次に『人間椅子』の自称椅子職人。椅子の中でアァァ~と悶える男。
そして『屋根裏の散歩者』の天井裏のぞき魔、郷田三郎クン25歳でしょう。

何をやっても長続きしないバカニート。
押入に蒲団4枚敷いて一日中寝て暮らす怠惰な性格。
天井裏から隣人をのぞき見っつうセコい趣味。
ヒマだから絶対ばれない殺人してみよっかなー?なんてノリで行う殺人事件。
親近感があるだけ余計にむかつきますねw

という訳で今回は屋根裏のバカニートのクライム映画、
何度も映画ドラマ化されてますが、まずは田中登バージョンをご紹介。
実相寺バージョンも有名ですが、とりあえず石橋蓮司ですから
★予告編



古き良きロマンポルノの香り高い予告。
「ご期待下さい」と丁寧に締めるのが変態ぽくていい。

★あらすじ(青字はネタバレあり

大正12年、東京浅草の小汚い安下宿。
バカニート郷田三郎(石橋蓮司)は今日も天井裏で、床板に空いた穴から他人の部屋をのぞいてる。
そこは黒服の貴婦人(宮下順子)の隠し部屋。ピエロの服を着た隠しオトコ(夢村四郎)と秘密のご奉仕プレイをたのしんでいらっしゃる。

貴婦人の名前は清宮美那子。
資産家の旦那、清宮浩一郎(長弘)はちょい変態で、夕食にカエルソテーを食べて精力をつけてはステッキで嫁をいたぶるプレイがお好き

金使い放題といえいじめられて耐える妻なんだが、でも宮下順子嫁だから中身はド変態。
旦那といたすかたわらで隠しオトコと楽しんだり、運転手を人間椅子にさせてマッパで椅子に座り、尻の下で欲情する男の息遣いを感じながらひとり悶えなさって性欲を発散させていた。

しかし、奥様はピエロとのやり部屋で見てしまったのだ。
天井板の穴から見える郷田の視線を!
夫とエッチ中に郷田の目を思い出し悶える美那子。

一方で郷田は安下宿住人どもの下半身事情をのぞいては下卑たよろこびに浸っていた。
アニマルコスプレのモデルの女恋人とボディペインティングをしてエッチに耽るレズビアン女流画家の美幸(渡辺とく子)や、救世軍活動にいそしむ紳士の癖に朝から女中の体をまさぐる遠藤(八代康二)など、住人はなかなか腐ったメンツぞろい。
中でも遠藤は何かと郷田に説教をかますので、「陰で変態の癖にえらそーに」と日頃からむかついてた。

★運命の変態・ミーツ・変態

さて、郷田がいつものようにピエロ部屋を覗くと、変態性欲で辛抱たまらん奥様美那子が上目遣いで天井見詰めてオナっていた。
奥様は郷田の視線を感じながらピエロとやる行為にはまってしまったんだが、ある日とうとう
なんと感じる余りに太股でピエロの首を絞め殺す!
しかも死体を川に投げ捨て。奥様すげえ。

という訳で愛人を捨てた美那子は直接アタック開始。自分のお屋敷に郷田を呼び出してオナり、「あなたの目がなければもうダメなの」とコクる。
奥様の歪んだ欲情を目の当たりにした郷田は「あなたは僕と同じ種類の人間のようですね」と、堂々と同志宣言をかます。
変態・ミーツ・変態である。

遂に結ばれてしまった異常なカップル。
郷田と美那子は世間体など振り捨てて、人の道を外れた変態道を爆走する。
まず郷田は「遠藤を殺してやろう」と思いつき、天井裏からモルヒネをたらして殺害を試みる。でも上手くいかなくて結局遠藤の口に直接スポイトたらして殺害。小説と違ってなんか現実的w

郷田のモルヒネ殺人にますます悶え歓ぶ奥様は、殺人は殺人でお礼よ!とばかりにドSプレイ炸裂。
香水瓶を叩き割って運転手に拾わせ、ガラスを拾う手を踏んづけて足でグリグリ
人間椅子プレイでひとしきりよがった後に「そのまま椅子におなり!」と中の人ごと燃やす。
ついでに旦那もワイン煮ヒ素入れてさっくり毒殺。

郷田と美那子は互いの猟奇変態の証?として、レズビアン女流画家にボディペインティングを頼む。それも全身血管ペイントとはマニアックなw
で、お礼に女流画家を3Pレイプ。
なんでやねん。
最後は奥様必殺技の太股絞めで殺害。

もう何物も恐れない(最初から恐れちゃいないが)2人の血管人間は屋根裏に昇り感動の合体。
からみあう男女の肌に浮かぶ動脈と静脈。さあどんな変態エンドプレイが待ってるか!
と思ったら。

★ポルノ映画から逸脱した前衛エンディング

下宿屋が大きな揺れに襲われて倒壊。
2人は屋根裏の下敷きになってあっさり死亡。
その日は大正12年9月1日、関東大震災の日だったのです。

♪カチューシャ哀しや♪の名曲をBGMに当時の記録映像が淡々と映される。
あのー被災の記録映画になっとりますが。
これってロマンポルノじゃなかったっけ…

すべてが失われた焼け野原で生き残ったのは、遠藤にセクハラされてた女中ひとり。
彼女が汚れた体を洗おうと井戸水を汲むと、水が次第に血の色に変わる…
なんて予想もしないオカルト風景でジ・エンド。


★感想

しかし…
これで、ぬけるのか?

ロマンポルノの前衛耽美派といわれる田中登作品らしく、エロはあるがロマンポルノとしての実用性を度外視した前衛なつくりになってます。
郷田と美那子の猟奇変態部分も過激な直接描写は少なく、むしろ精神的な変態道を匂わせるシーンが多い。
互いの肉体に動脈を描いて絡み合うとか。猟奇変態の業を説くセリフの応酬もあるし、極めて70年代っぽい、熱く湿った空気がこもってます。

ラストなんか盛り上がるもんがまさかの震災エンドで「さ、冷めないか?」と心配にすらなってしまう。
私が当時の殿方の心配してもしょーがないが。

★田中登監督のねちっこいリアル貧乏描写がいい

低予算であろうロマンポルノですが、昭和初期的風景のディテールが細かく凝ってます。
郷田三郎のニートライフの描写も実に迫真で、窓枠の腐れ具合、けばだった畳、敷きっぱなしの蒲団、床に置きっぱなしの膳から今にもすえた臭いがしそう。
貧乏の表現が容赦無くリアルでよろしい。
金持ちの家がチープなのは日本映画の伝統だからこれはしょーがないw

★意外と新鮮な宮下順子の逆プレイ

石橋蓮司&宮下順子と聞くとドSニート蓮司が奥様をいじめる風景を普通考えますが、逆に宮下順子奥様の方が主導権握ってガシガシ攻める。
人間椅子運転手を蔑む視線とか、太股責めとか、嗜虐プレイが炸裂してました。
意外と新鮮でした。

石橋蓮司は上手いし若くてお肌すべすべでした。
原作の郷田三郎感があんまりないのが少しマイナスですが。
愉快犯的殺人者にしては目が据わりすぎてるし、天井裏からモルヒネたらす姑息なプレイは似合わないwやっぱり石橋蓮司には刺殺撲殺が似合うw

でも奥様とピエロのご奉仕プレイに触発され、自分もピエロメイクで女郎相手に下僕プレイやろうとして女郎に拒まれた時の、瞬時にほとばしる怒気がすごい!
目だけで人を殺せるレベル。
絶対喧嘩したくない相手ですw

エロシーンでは、変態プレイの数々よりも最後の屋根裏ノーマルセックスが印象に残りました。
天井板の割れ目からところどころ明かりが漏れて、バズーカサーチライトみたい青い光の柱となって屋根裏をキラキラ照らす中で、2人が絡み合ってました。
幻想的で良かったです。

(了)

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テーマ: 映画感想 | ジャンル: 映画
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