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No.083『悶絶!!どんでん返し』

製作年:1977年
監督:神代辰巳
脚本:熊谷禄朗
ジャンル:アナーキーなエロバカ映画
注記:R-18指定ポルノ映画

83.jpg

またしても神代辰巳監督作品であります。
神代作品を結構よく観てるんだなー自分、と思いますです。
こちらは『黒薔薇昇天』に近いネタ系ポルノ。

クレジットの主演女優は谷ナオミですが、物語の主演女優は谷ナオミじゃない。

しかも男だ

という斬新すぎるポルノ映画です。
おバカポルノだーいすきな方には必見の一本。

★あらすじ(青字はネタバレあり

主人公は大会社の常務の息子で東大卒のエリートぼんぼんである、白肌ぽっちゃり系男子・北山係長(鶴岡修)。
ある日課長に連れられて行ったノーパンキャバクラ(懐かしいw)の席で、軍艦マーチをBGMにアタックサービスを受けたあけみ嬢(谷ナオミ)を気に入り、ついお持ち帰りしちゃいます。

ところが案の定嬢にはヤクザ旦那(遠藤征慈)がいた。
北山は酒の代わりにお仕置きで酢を飲まされたあげく、なぜか賭けをさせられて負けちゃったので
罰ゲームで犯される。

えええー!!
ロマンポルノなのにいきなり予想外の展開。

北山は尻の痛みに耐えながらw社長秘書の婚約者と一発やって傷心を癒していたが、不幸とは二度三度起こる続き物。
ヤクザ旦那の本職は女子高生美人局。手下の女子高生に男引っ掛けさせて、一発やらせては大金をゆすっていた。
たまにジジイが引っかかって腹上死しますが、その時はとっとと夢の島に捨てる悪人な一味に、やっぱり北山も引っかかっちゃいました。

美人局の現場で男と男、運命の再会www
実はあの一夜(の尻の感触)が忘れられずフォーリンラブ…いやフォーリンケツ状態なヤクザ旦那は、金をゆするかわりになんと、北山を監禁調教してしまう

★男の愛人街道まっしぐら

男の味を知った北山は人生はじけてしまう。
エリート係長の座を捨ててヤクザ夫妻と同棲し、夜はあけみ嬢からヤクザを奪ってセックス三昧。
オカマバーに転職して人気嬢となり、なんとヤクザと神社で結婚式w

でも根は男なので(タマは取ってない設定だ)、気に入らない恋のライバル・あけみ嬢は殴る蹴るするし、美人局女子高生のひとりに手を出してレズだかオカマだかノンケだか判別不能な妖しいプレイを繰り広げる。
自分を探して訪ねてきた社長秘書には顔にケーキをぶん投げ口につっこみ、豊胸手術を受けたシリコン胸をご開陳w
婚約者のありえない姿に秘書発狂して逃げる。

★素晴らしきバカエロ世界の狂った最期

さて主人公も狂えば周りもバカばかり。
ヤクザの手下チンピラの丸山(粟津號)は女子高生美人局のリーダー、みどり(牧れいか)がエロ芸が出来ないのを理由に因縁をつけ、花電車芸をスポ根でムリヤリ仕込む。
ちなみに花電車ってどんな芸?ってのは『極道戦国史不動』あらすじの観音寺ミカの項をご参照ください。

ところがスポ根調教に熱が入るあまり、芸ができると同時に体もデキてしまい同棲する。
エロ芸のおかげでささやかな恋が育とうとしたその時、美人局の現場に張り込み刑事が乱入。チンピラは揉み合う内にうっかり刑事を殺してしまう。

手下のヘマで美人局稼業が一網打尽に捕まる危機。
やばい高跳びだ!とヤクザは夜逃げを決意。一緒に逃げようと土壇場で選んだ相手は

あけみ嬢だった。

ていうか北山じゃなかった。

男に目覚めさせられ、あれだけ愛してくれたのに一転して口汚く罵倒されながら夜逃げのトラックの荷台から振り落とされ、それでも追いすがる哀れなオカマひとり。
エリートを捨て男にすら捨てられた北山は、愛犬とバター犬プレイして悲しみを癒すのでした。
なんて最後までアナーキーなオチでジ・エンド。


★感想

なんじゃこりゃあ。

これでぬけるのかと心配する余地すらない。ぬけないどころの話じゃない。
よし今宵は谷ナオミで!と当時映画館に入った殿方はこれ観てどう思ったんでしょうか。

メインのおかずがあえぐ男とスポ根花電車芸だよ。
ロマンポルノは奥が深いな…

まぁおかずとしての出来はともかく、おバカポルノ好きには脚本・役者・小ネタともども安心のクオリティです。

★愛おしいバカぞろいの俳優女優たち

えーと…まずヒロインの鶴岡修が絶妙にぽっちゃり体型の童顔で、結構…妖艶でした。
オカマドレスも神社結婚式の衣装も似合ってたし、シリコン胸つけても違和感無いのに驚いたw下手するとイケメンの女装よりエロいかも。
最後に旦那のトラック追いかけてる顔など、鬼気迫ってて凄艶とさえいえます。

三枚目に回った谷ナオミもチャーミング。
本来は目玉のSMシーンもちょっとしかないし、旦那に男を寝取られる中年女って最悪な役回りですが、女の盛りをちょっと過ぎた悲哀を背中や腹に漂わせて「あたしも昔は(SMを)よくやったけどさー」と自虐的に笑い飛ばす演技がキュートでした。

2人の他の登場人物も全員アナーキーなアホばかり。
石橋蓮司や岸田森クラスの俳優はいないせいか、よりスラップスティックなアホバカテイストが強い演技をしています。
男はチンピラろくでなし、三下は軽くて根が真面目、女はバッシバシ殴られるが芯はたくましい。
紋切り型ですが役者さんが喜んではっちゃけてます。

★神代作品はとにかく挿入歌が萌える

さてバカネタ以外のおすすめどころ。
映画やドラマでよく「画面はきれいで演出も良いのに音楽が、ああー…なんか違う…とガックリくる」ケースに遭遇しますが、神代作品はその点がとても上手い。
音のネタは特にひねってなくて当時普通に流行ってた70年代歌謡曲なのに、あんたミシェル・ゴンドリーか?ってくらい絶妙なタイミングで挿入歌を使います。

この作品も歌謡曲から宝塚まで、ここぞって時にいい曲が鳴りまくり。
ネタとしてくどすぎる個所もありましたが。
おおっ!と唸ったのが、女子高生美人局が男ハンティングに行く場面を、ちょっと俯瞰で見下ろすアングルにして流れる、


長月 神無月長月 神無月
(2011/11/23)
矢野顕子

商品詳細を見る


矢野顕子『長月神無月』収録の民謡「あんたがたどこさ」。
♪それを猟師が鉄砲で撃ってさ煮てさ、焼いてさ、食ってさ♪
なんて歌を、ふんわりした矢野節で歌います。
うーん、上手い!
プリミティブに残酷な歌詞と美人局のえぐみがシンクロした逸品です。映画音楽マニアなら是非ここだけは観るべし。

もちろん音楽だけじゃなく、画面作りのセンスも良くかっこいいですが、とか何とかセンスの良さをほめたところでも、オチはバター犬ですべて台無しなんですけどw
げっひーんなバカネタでしめる辺りがまたいいですね。

(了)
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