No.090『聖獣学園』

製作年:1974年
原作:鈴木則文
監督:鈴木則文
脚本:鈴木則文、掛札昌裕
ジャンル:聖なる女たちの禁断エロティックサスペンス

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清らかなはずの修道院を舞台にしたジャパニーズ・ゴシックサスペンス。

エロ!拷問!凌辱!コスプレ!放尿!母娘丼!
神をも恐れぬ根性据わったバチあたりっぷり。

さすが東映。ヤクザ映画の雄はダテじゃない。

多岐川裕美の主演デビュー作ですから、ルックス面のクオリティも抜群です。
★まずはお約束のつっこみから

映画やドラマの最初に必ず「実在の宗教なんとか団体等と関係ありません」とかいう気休め程度の警告テロップが出ますが、この映画に関してはテロップがガチ。警告指数100%。平成じゃテロップ出してもアウトなレベルです。
まぁ画面はあからさまにカ○リックってわかりますがねw

★予告編



禁秘のロマン!上手い予告だなー。
踏み絵にどうぞ。

★あらすじ(青字はネタバレあり

顔の半分以上を覆うすげーグラサン姿の一匹狼バイカー美女、多岐川魔矢(多岐川裕美)はイケメン遊び人(谷隼人)にナンパされていきずりで一発やる。
スケバン映画によくある性に奔放な今ドキギャル的導入部だが、しかし彼女は翌日「セントクルス修道院」の新米修道女となる。
別に信仰に目覚めた訳はなく、死んだ母親の謎を明らかにするためである。

修道院という施設は本来、身も心も清らかな乙女達が信仰と修行の日々を送る男子禁制の聖なる館。
のはずだが東映エロ映画ですから最初から怪しさ全開。

一発目の洗礼式からすっぽんぽんですし、常軌を逸した厳しい戒律、イケズな先生、女のいじめ、と定番アイテムはフル装備。
寄付金の額で食事の量さえ変わるセコっぷり。
夜は乳丸出しでセルフ鞭打ちしてる女もいれば、成金親に更生施設代わりに入所させられたスケバン松子(山内えみ子)もいる。
物置でこっそり魚肉ソーセージを食っちゃった下っ端修道女には鞭打ち刑が待っている。もちろん乳丸出しで

さらに男子禁制の館のエロといえば!
尼さん同士のレズビアンプレイもばっちり!

定番ネタは外しませんねー。
レズビアンコンビの片割れが魚肉ソーセージ事件を先生にチクった犯人と知り、魔矢は2人を脅して院長室への潜入ルートをゲット。院長先生(森秋子)の秘密ファイルを漁り、彼女が亡き母の秘密を知ってるのでは?とあたりをつける。

★そこへ絶妙のタイミングで登場する聖なるラスボス

そこへ謎の修道院を牛耳る権力者がご登場。

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コントばりのヅラ髭が怪しすぎるラスボス柿沼司祭様(渡辺文雄)。
すごいわw衣装もチープで胡散臭いにもほどがあるw
柔和な語り口と偉いオーラで修道女達に敬愛されるが、もちろん陰で修道院を牛耳る悪役だ。

ある日、良い子キャラ修道女・久子(渡辺やよい)が貧しい実家を援助するため盗みを働いてしまい、良心の呵責にさいなまれて司祭様に告白する。
涙する彼女を諭し、神の慈愛でお許しになる司祭様。
おおっと!ラスボスなのに意外と言動が正論じゃね?と拍子抜け…と思ったら裏の顔がシャキーンと発動。処女の久子に大股開かせがっつりレイプする。
司祭様はお気にの修道女を次々手ごめにする悪のエロ坊主なのだ。

諸悪の根源が見えてきたところで、いよいよ魔矢の復讐がスタート。
一発やった遊び人谷隼人&手下の男(タコ八郎)を尼僧コスプレさせて修道院に忍び込ませ、いけずな処女副院長(に到底見えぬ三原葉子)を襲わせる。
「32年守り通した純潔をぉぉ(どこがだー!)」と叫び抵抗する副院長だが、初めての男の味が気持ち良過ぎて淫乱化。由々しき事態に修道院は犯人探しを行い、ほどなく魔矢の仕業だとバレる。
魔矢はシスターに捕まり薔薇の花で鞭打たれる罰を受ける。

という事で、お待ちかねのお宝シーンですよ

乳丸出しで緊縛された多岐川裕美の柔肌に紅薔薇の花びらが散り鮮血が飛び散る!
ああっ悶絶これはマジ耽美。まさにお宝。

★締まると同時に出ちゃったらしい…

身も心もボロボロに傷つき、ついでに自分をかばったスケバン松子も退校になるが復讐をあきらめない魔矢を見て、修道院のお手伝いさん(山本緑)が真実を打ち明ける。
なんと魔矢の母は修道院内で妊娠した罪により院長先生から裸で鞭打たれる拷問を受け、苦悩のあまり首吊り自殺を図った聖なるクリスマスの夜に産まれた運命の子だった。

でも自殺したのにどーやって出産したの?
その理由はなんと、首吊ったショックで瞬時に産気づいて首が絞まると同時に出ちゃったと…
ええええー。
そんな瞬時かつカンタンにってー。亀だってもっと時間かけて卵産むのに。

衝撃の出産方法はともかく、父親はもちろん司祭様。しかも司祭様・魔矢母・院長先生は三角関係であり、拷問は魔矢母への寵愛に嫉妬したからだという。
期待通りのドロドロ愛憎劇が明るみに出て、腐った修道院に徹底的に復讐してやると魔矢は誓う。
一方で司祭様も院長先生へ魔矢暗殺指令を出すが、院長先生は土壇場でためらい未遂に終わる。

★第2の刺客はドSなバチあたり修道女

院長先生を見限った司祭様は次の刺客を放つ。
ローマから来たどSのエリート修道女、ナタリー様(衣麻遼子)だ。
ナタリーはさっそく修道院粛清の魔女狩りを行い、司祭様の子供を妊娠した久子をを発見すると「魔女かどうか確かめてやる」とリンチにかける。
その方法は踏み絵。しかもすげー。異教徒だって血の気も凍るバージョンだ。

大股開いて椅子に座らせ縛りつけ、足元にはキ○○○様の文鎮(さすがに伏字にします)。
食塩水を大量に飲ませて(以下略)まぁ我慢しますが当然、出ますわね…文鎮の上にどばどばと…
「聖なる方の上にするなんて!あなたは魔女!」


ばっばちあたりー!!!

ついしてしまってショックな久子は、その場で舌を噛んで自殺する。
怒れる魔矢はキ○○○像や聖母像をぶち壊し、暗殺アゲインしに来た院長先生とバトルして熱湯風呂に突き落とし、第2の暗殺しに来たナタリーにとび蹴りして窓から突き落とし、柵に串刺し殺しにする。なかなか激しいキルビルであります。

★ラスボス司祭様との禁断バトル

そして遂に柿沼司祭様とご対決。
といっても自分は中出しするだけで手を汚さず、子供が出来たら別のオンナに始末させるヘタレ野郎のお父様だが、そんなクズへの復讐は、なんと捨て身の肉弾戦。

司祭様がナタリーを寝室に呼んで一発やってると、なんと正体はナタリーに化けた魔矢だった!
聖職者なのに父娘丼やっちゃった!と気づいた司祭様はあっけなく精神崩壊してしまう。
しかも熱湯風呂から生き返った院長先生に十字架で背中をぶっ刺されて死亡。

こうして修道院を壊し復讐を果たした魔矢は、普通の女に戻りどこかへ去っていきました。ジ・エンド。


★感想

素晴らしいバチあたり映画です。
宗教関係の表現に寛容な日本でも一部伏字に自主規制してしまうくらいのフリーダムっぷり。堂々とロードショーした東映の太っ腹に感服です。

といってもバチ当たりシーンを除いた大半の話は、「男子禁制の館のエロチックサスペンス」のフォーマット通りって感じです。
谷隼人が三原葉子副院長を手ごめにする時に、腰を動かせば傍らの聖母像もゆさゆさ揺れるとか、事が終わると十字切って「ザーメン」とか、ベタな昭和エロギャグがあってうれしい

タイマンシーンで赤いライトがくるくる回る演出や修道女串刺し刑など、タランティーノが好きそうなショックシーンもサービスてんこ盛り。
その手の昭和B級アクション方面がお好きで敬虔なキ○○○じゃなければおすすめ。
他の東映本格エログロ映画よりグロ度が少な目で、スプラッター苦手な人でも割と見やすいです。

★さて多岐川裕美の黒歴史

さてこの映画は後にメジャー映画で活躍する美人女優・多岐川裕美の黒歴史として有名です。
確かに「こんな美形がどこで何をだまされてこんなエログロ映画に出ちゃったんだ」と首をかしげるレベルの正統派美人。ただ美貌の主役なだけにバチあたり担当は少ない。聖母像破壊とラストの丼シーンくらいですが、谷隼人とのベッドシーンから乳首出し薔薇刑まで昭和女優らしい気前良い脱ぎっぷりでした。
薄暗闇で常に汗ばんでる姿が、不穏な匂いを巻き散らしてて良かったです。

★気になる俳優・渡辺文雄

そして多岐川裕美以上に印象深いのが、えっこんな役なのに?キャラが重すぎる渡辺文雄の柿沼司祭様。
聖職者なのに「この世に神などいない!」「長崎で、アウシュビッツで、神は人を救ったか」と唐突にディープな演説始めてびっくり。
長崎で被爆して背中にケロイドがあり、心の底で神の存在を信じきれない司祭様、という重い背徳を背負ってる設定だったので驚きました。
コントばりの衣装なのに…
妊娠させた女を他の女に始末させるヘタレなのに…

同じ鈴木則文監督作品の『徳川セックス禁止令色情大名』では南蛮商人・博多屋の役どころを演じてましたが、これも「迫害されて悪に走った転びバテレン」設定だったし、色悪の後ろに信仰へのゆらぎと虚無感がある心に十字架背負った重い役が似合います。
昭和映画の色悪役らしくてなんか好きだ。

★何だか気になる木

だらだらと感想書いてる間に鈴木則文監督が逝去されました。
好きな監督のひとりで寂しい。ご冥福をお祈りします。
図らずも追悼文となったんですけど、よりによってバチ当たりな作品でいいんですかね。
そこが気になる木。

(了)
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