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No.100『ざくろの色』

製作年:1968年/1971年
監督:セルゲイ・パラジャーノフ
脚本:セルゲイ・パラジャーノフ
ジャンル:アヴァンギャルドエキゾチック映像詩

100.jpg

ついに100回目ですよ。
目標の100作品レビュー達成ですよ。
自分でもここまで続くと思わなかったよビックリした。
小学生の夏休みドリルが三日坊主どころか2日で挫折してばかたれと叱ってくれたおかあさーん。見てますかー。

そんな自分へのご褒美(スイーツな言葉だな)には、世界メケメケ映画界(そんなものあるのかよ)の巨匠、偉大なるセルゲイ・パラジャーノフ監督の華麗なる幻想映像詩でお祝いだ。
さあ真の前衛の世界に酔いたまえ。
酔って感動するか爆睡するかはあなた次第でw

★あらすじ

難解映画ですが、あらすじは非常に簡単。
ネタバレするほどのネタも無い。

トルコの東にあるアルメニアが舞台。
世界一美人が多い国で有名なところです。
昔のロキノン好きなら「SOADのメンバーはアルメニア系移民ですよ」と言ったらだいたい雰囲気わかる。
そんなアルメニアで18世紀に活躍した詩人、サヤト・ノヴァの詩と生涯を描いた映画。

幼い頃から書物好きで感性鋭いサヤト・ノヴァは詩で名声を得て宮廷詩人になったが、美しき王妃様に恋して愛の歌を捧げる。
ところがどうも恋心が王様にばれたらしく、宮廷を追い出されて修道院に幽閉される。
サヤト・ノヴァは悲しみや祈りの気持ちなどを詩で綴りながら静かな日々を過ごす。
老年になりやっと修道院を出たものの、間もなく死神に呼ばれてお亡くなりになる。
しかし肉体は滅びたものの、彼の詩は永遠に滅びる事は無いのでした。

★感想

以上、あらすじ紹介でした。
短いなー。

サヤト・ノヴァの人生のエピソードも少なければ、サヤト・ノヴァの詩が紹介される訳でもない。詩の断片がたまーにちょろっと出るだけだ。
じゃあ何を描いてるねん『ざくろの色』って?
との質問に正確に答えるなら、「サヤト・ノヴァの生涯と詩の世界観をパラジャーノフ監督が映像で綴った『観る詩』」であります。

はじめに映画の趣旨がテロップで出ます。
以降、セリフほぼ無し。
ここはどこ・この人は誰・これは何?とか説明無し。
観る人がなんとなく解釈すれば良し。


民族音楽が流れて詩の断片が詠まれながら

sayat7.jpg

ほん

sayat8.jpg

ざくろの汁がじわじわ

sayat3.jpg

ぶどうを足で踏みつぶす

sayat9.jpg

流木とお魚ぴちぴち

こんな感じの映像が70分くらい続きます。

は?いくら何でも70分間ずーーっとコレじゃないよね?詩人と王妃様の恋バナくらい、キスシーンや涙の別れで盛り上がるんじゃね?
と思った人は残念でした。

美青年詩人サヤト・ノヴァ(ソフィコ・チアウレリ)と美しき王妃様(ソフィコ・チアウレリ)は同じ人が演じてますので盛り上がるはずも無く。

ざくろぶどうお魚ぴちぴち
馬ロバわんさかやにわとりパタパタ
本の虫干し浴場マッサージ絨毯洗い
宙吊り天使鎧騎士孔雀くわえたおっさん
結婚式葬式いけにえの儀式
謎の前衛パントマイム謎の宗教儀式
などなど。
繰り返しますがガチで頭からケツまで70分余り全部コレです。

フツーの「映画」な部分など一切ございません。
さすが世界最強のアヴァンギャルドお芸術映画と言われる由縁であります。

前に紹介した『煉獄エロイカ』以上に、「今日はお芸術アヴァンギャルド映像詩を観るぜぇぇ」と気合ノリノリで観ないと開始5分で爆睡できます。
うちのオカンは7分でギブアップしました。うめめちすら調子が乗らないと途中で寝ます。
相当手ごわいブツです。

★なんかどこかで観たような…

って訳で、観る人を選ぶにもほどがありますが、一度コイツの虜になった人は生涯抜けられない唯一無二のインパクトとめくるめく映像魔術があり、世界中に熱狂的ファンやフォロワーがいます。
ていうか70年から90年代辺りの映像関係を観ると、映画だけじゃなくPV、CM、アートフォト方面でも多大な影響があったことがうかがえます。

有名なところではJuno ReactorのPVに映画のワンシーンを丸々採用。



マーク・ロマネック監督作品のマドンナのコレもそのままずばり入ってます。懐かしいなー。



しかしここまで丸パクじゃなくてもw
うめめちのように90年代以降にアートの勉強をはじめました世代だと、フォロワーの映像画像を先に観すぎてて『ざくろの色』を初めて観ても「なんかどこかで観たような」デジャブー感がするw

まぁ、デジャブー感をさて置いても、ご本家『ざくろの色』の美術は凄いです。フォロワーの映像美術と並べても突き抜けてます。(フォロワーだって超一流どころだらけなのに…)
製作資金あんまりかかってなさそうだけど、おっそろしく斬新で洗練極まりなく、めくるめくエキゾチシズムの洗礼を受けます。
恐るべき天才の感性が紡いだ夢の世界は(厨二病な説明だがガチで天才の夢の世界なのだ)メケメケ愛好家ならマスト体験いやDVDマストバイ!!
アート方面のお仕事やってみたい人で未体験なら、睡魔にめげずワケワカメに耐えてでも一度は体験してみてほしいです。

★どうでもいいことだが何だか気になる木

さて主人公の詩人サヤト・ノヴァ役は、子供・青年・中年・老年時代をそれぞれ4人の俳優女優が演じてます。
子供役はいかにもアルメニア系な美少年。
青年&王妃様役のソフィコ・チアウレリは神秘的な美貌すぎる。
しかし中年以降が霞むというか、昔は正直、麗しの青年時代編が終わると「あーあー美貌の青年詩人がなんでくたびれたオッサン修行僧に落ちぶれるんだよ」と文句たれながら観てたものです。
でもわたしも最近年取ったせいか、中年時代のオッサン修行僧役の俳優さんが額広いけどセクシーじゃないかしらとツボってきた。

彼はヴィレン・ガスチャン氏。
アルメニアで著名なダンサー・振付師だそうで、老いてもロマンスグレーだわーとぐぐってたら
驚くことに当時27歳だった…
20代て!全然オッサンじゃないじゃねーか!ソフィコ・チアウレリ(当時30歳)より若いのかよ!
海外の男の人の年齢はほんとわからんなー…

年齢はさて置き、若い娘尼僧のお誘い視線を拒む仕草がふと色っぽいのだ。
枯れセクシー好きは要チェック。

(了)
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