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No.104『儀式』

公開年:1971年
監督: 大島渚
脚本:田村孟 、佐々木守 、大島渚
ジャンル:とある一族の冠婚葬祭悲喜こもごも物語

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秋ですねえ。
人と人のぬくもりが恋しい季節ですねえ。
家族の絆ってステキぃ。
とか心にも無くハートウォーミングな理由で紹介する、お久しぶり大島渚作品の大家族物語。

大島渚のATG映画で『儀式』なんて、どどどどんなあやしい儀式が繰り広げられるのっ!と鼻血も噴き出る勢いですんごいわくわくしてビデオ借りて観て腰を抜かした記憶がある。
儀式って結婚式と葬式かよ。
そんなぁー。

うめめちはあんまり事前に下調せず、題名かスチール画像見たインスピレーションだけでふらっと映画館に入ったりDVDを借りる癖があるんだが、「惹句だけは読んでから観よう」と反省したw
いや、大好きな映画なんですがね。
★あらすじ(青字はネタバレあり

東京在住の桜田満洲男(河原崎建三)はある日『「テルミチシス」byテルミチ』なんて謎解き暗号な電報を受け取ったので、同じく東京在住のイトコで眉なしホラーメイクの椎名林檎風ルックスな律子さん(賀来敦子)と一緒に、南の離島のど田舎実家へ帰省する。
その道すがらで過去に起こった出来事(主に冠婚葬祭)を思い出す…という話。
前衛系の割に物語の構造はシンプルで理解しやすい。

さて満州男の属する桜田一族の本家には当主・一臣(佐藤慶)という、デスラー総統似の専制君主が長年君臨していた。
一臣は本家の地位と権力(元高級官僚)で一族の男を支配し、一族の女はみんなお手付きで腹違いの子供わんさか、って感じのわっかりやすい権力者を演じていた。
一族には嫌味ババアな大奥様の本妻・しづ(乙羽信子)、煙たいご隠居ババ様・富子(河原崎しづ江)、一臣の元兄嫁で今はお手付き妾のちよ(三戸部スエ)、妾の子供のタイコ持ちバカ・守(戸浦六宏)、別の妾の子供の左巻きバカ・勇(小松方正)、養女という名のお手付き妾・節子(小山明子)などなど、一癖ありそうな面子がそろっていた。

満洲男は小学生の頃に桜田家へやって来た。
満州から母親と命からがら引き揚げてきたんだが、先に帰国したはずの父親は自殺してて、満洲男はいきなり父の一周忌法要に駆り出され、その場で「父のかわりに跡継ぎになれ」と言われる。
つっても小学生男子には意味わからずポカーン。
とりあえず言われるままに、戸田重昌アート全開のお庭に首無し仏像が鎮座する不気味なお屋敷で一族の人々と暮らし始めた。

一族は子供の前でエロネタ砲や陰口砲を平気でしゃべり、祝いの席で子供に酒を飲ませてぶっ倒させるような品性悪い性格で、しかもルックスは眉なし一族。
満洲男はテンプレ通りいじめられたが、美人で優しい節子さんに胸キュン初恋、兄貴肌のイトコ・テルミチくんに守ってもらい、セーラー服少女律子ちゃん(節子の娘)やマルコメ坊主イトコ・忠くんとか小学生仲間も出来て、それなりに健全な少年時代を過ごした。

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少年時代の満洲男くん(椿隆一)。
すげー美少年。

★節子さん。僕のセンセイになって

次の儀式は高校時代。
満洲男は野球少年になり、全国高校野球大会でエースで4番でバリバリ活躍していたが、準々決勝の日に母親が死んで家に戻ってくる。

しかしエースで4番なんだが、顔の方は…美少年から老けた河原崎建三へ残念な成長を遂げていたwなぜだぁぁーw
律子ちゃんは楳図かずおキャラっぽいホラー風味のおかっぱ女子高生へこれまた残念に成長し、テルミチくんはなんと濃いイケメン(中村敦夫)に進化!
テルミチ1人勝ちだがそれはともかく、葬儀の夜にとんでもない出来事が起こる。

まず満州男は節子から自殺父の遺書を受け取り、節子と父はデキてたが一臣に引き裂かれたと知る。
次に一臣ジジイが喪服の節子を押し倒しやり始める。
するとテルミチが「見学しますっ」とやって来て傍らで正座してガン見w
さすがのジジイも気まずくなって退場すると、テルミチはさぁ俺のターン!とばかりに

「節子さん。僕の最初の先生になってください」と筆おろしをお頼みする

そして2人は節子リードで一発おやりになる。
センセイってw夜の授業かよwベタやなー。そもそも葬儀にわざわざお頼みすることか?

憧れの節子の筆おろしプレイを目撃してショックな満洲男は、イチビリに来た律子と衝動的にキスしてしまう。
別にそんな気も無かったのに。
この偶発的なキスが後々人生に複雑な影を落とす事になる。

★祝いの夜は謎の歌合戦と男女三人布団

その後満洲男は京大生、テルミチは一臣の秘書になり、みんなが離れ離れになって4年後。
次の儀式は左巻きバカ・小松方正の結婚式。

お屋敷で行われた結婚の宴は、たぶん一族の掟により指名制アカペラ歌合戦をおっぱじめる。
小松方正ははっちゃけ、戸浦六宏は扇子持って踊り、当主が途中で歌詞忘れると節子が続きをフォローで歌い、律子が歌い、満洲男の指名を奪ってテルミチが歌い、マルコメ坊主転じてマルコメ青年の忠くん(土屋清)は、元戦犯で中国の刑務所から茶髪になって戻って来た父親(もちろん一臣の妾の子)進(出ました渡辺文雄)に涙のご指名カラオケリレーしたりして、まぁそれなりに和気藹々と進む。

で、宴お開きの後は子供世代で二次会スタート。
何故か持ってた刀を振り回しながらトークしてたら、憧れの節子さんが自殺したがってる事が判明する。
心配でそわそわする満洲男をよそに、満洲男ラブな律子ちゃんは強引にカマかけてみる。
なんとゴロ寝布団に満洲男とテルミチを招き3人川の字で寝て筆おろし事件を語るエロトーク
お誘いが直球すぎるよ律子ちゃんw
でも途中で満洲男がキレて刀持って布団を出て行き、律子ちゃん、ちょっと失恋。
まさか自殺してないか不安で節子さんの部屋を訪れた満洲男は、寝床で朗らかに笑う美しきお姿を見て一安心。持ってた刀を「護身用です」と渡して自室に戻るが、なんと布団では律子ちゃんとテルミチが仲良く寝てたw
べっ別に好きだった訳じゃねえっ、くやしくなんかっ、とツンデレぶっても実は律子ちゃんがなーんか気になってた訳で、内心ダメージ受けた満洲男はひとり庭で拳で土叩いて時間を潰す。

翌朝。
節子が裏山で胸に刀ぶっ刺して死んでた。


そりゃー自殺志望者に刃物なんか渡すからー!
自分のミスで2人の女を失い満洲男ダブルショック。
しかもいくら考えても節子が自殺する理由が無いので、実は一臣が殺したのでは?とみんな疑念を抱く。

★悲惨なエア挙式&悲惨な葬式に満洲男ブチギレ

それからさらに5年後。
満洲男は一臣の定めた良家ご令嬢と婚約し、政財界の名士を招いた盛大な結婚式を開く。
…はずだが挙式当日に花嫁に逃げられる。
式は「花嫁体調不良」って事でキャンセルでしょ。と誰もが思ったが、一臣ジジイの意向により

花婿ひとりでエア挙式を強行しやがるwww

式もひとり。披露宴もひとり。
金屏風にひとり座って主賓の祝辞を受け、お色直しもウェディングケーキ入刀もおひとりでwww
余りに寒いエアっぷりに凍る会場。

しかも途中で警察に就職した忠くんが、「こんな家の面目保つだけの結婚式なんか茶番だー」と制服姿で会場に乱入して檄文読もうとしてホテルマンに連れ出され、その足でホテル前の車道にダイブして車にはねられて即死。
ひっでー!哀れ過ぎて涙出るよw
という訳で桜田家は結婚式を終えたらすぐお通夜。
渡辺文雄パパが棺の前で号泣しながら息子の遺した檄文を朗読する一方で、乙羽信子大奥様はほっほっほーと笑いながら「私の初夜の時はおじいさんのモノを見て『こーんな大きなモノがどこに入るのかしら』って驚いたのよーと戸浦六宏とエロトークw

余りにひでー扱いの連続に満洲男はブチギレてしまいキチ化。
布団相手にエア初夜プレイを始めるわ、忠くんの死体を棺から引きずり出すわ、代わりに自分と律子ちゃんが棺に入り抱き合うわ、「何やってんだコラ」と止めに入った一臣ジジイを押し倒し初夜プレイのオカズにするわw
あわてたジジイはテルミチに助けを求めるが、テルミチは「じーさん初夜まで面倒見てあげなよ」と逆にジジイを押し倒す始末。
なんというカオスw

どう落とし前漬けるんだよこの狂気一家、と思ったら、最後はテルミチが満州男・律子と手をつなぎ「律子をつかんでいてくれ」と言葉を残して家出する。
残された一臣ジジイは夜中にひとり祭壇に祈り、拳を叩いて泣いているのだった。

★ボロ小屋の扉を開けるとそこは亜空間

それから10年経過して冒頭に戻る。

満州男は眉無し化した律子さんとフェリーに乗り、いろいろ濃過ぎる昔話をしながら桜田家に帰省すると一臣ジジイの危篤を看取り、葬式の喪主を務める。
しかし葬式の夜に言い知れぬ重圧に押し潰され、息が詰まると訴えながら倒れてしまう。
でも苦悩のポエムを呟きつつ、介抱する律子さんとやる事はしっかりやるんだなw

しかし葬式に肝心のテルミチは姿を見せなかった。

翌日2人は『「テルミチシス」byテルミチ』の電報の真相を確かめるため、人里離れた小島へ向かう。
海辺にぽつんと建ったボロい小屋の扉を開ける。
だが外見ボロボロの掘っ立て小屋だろうが、戸田重昌美術をナメちゃいかんのだ。


gishiki7.jpg

寂れた外観と似ても似つかぬモダンアートな亜空間で
尻の割れ目までくっきりばっちりの超マッパで死んでるテルミチ発見w

実は一臣ジジイが満州男パパの婚約者を寝取ってひそかに産ませた子供だったテルミチは、
「真に桜田家を継ぐのは僕だけだ。僕は死ぬことで桜田家を滅ぼす」
と遺書書いて自殺したのだ。
テルミチの哀れな姿を見て律子さんは「私も死ぬ運命なのね」と服毒自殺する。
残された満州男は幼い日の幻影を頭に浮かべながら、ひとり海辺で泣きくれるのでした。


★感想

大島渚作品っておすすめしてもあまりみなさん観てくれないんです。
不条理コメディで面白いんですけどね。

『儀式』もあらすじの通り話メチャクチャです。
本当は長い年月の積み重ねで紡がれる愛憎物語を葬式と結婚式イベントに無理やり集約させるから、結婚式&葬式コンボとか葬式ダブルコンボとか、式の当日に事件がやたら起こり過ぎるw
小山明子の喪服エロスを見たいだけのために入れたとしか思えないテルミチ筆おろしシーンなど、ご都合良すぎる展開も目白押し。
でもこれがバカバカしくておもしろい。
エア挙式後エア初夜棺桶プレイの空気感など、並みのコントじゃ敵わないブラックなスラップスティックです。
もちろんバリバリ反権力思想の大島渚監督ですから、「日本の家父長制度なんてコントだ」って意図でこれでもかとバカバカしく撮っているんですが、思想はともかくコントセンスは素晴らしく冴えてます。

★日本版前衛ゴシックロマン!戸田重昌アート

冴えてると言えば大島映画名物の戸田重昌美術。
この人の作るセットに一時期ドはまりしてました。
無駄に壮大すぎる空間やジャパニーズバロックな色調、画面をドーン!と縦に貫くぶっとい御柱がたまりません。
『儀式』の桜田家のセットも当然キトキトの前衛。
怪しい蔵!怪しい祭壇!怪しい首なし仏像!
重厚で怪しい香り漂う建築オブジェがいっぱいで、眉無し一族のゴシックロマンに雰囲気ぴったり。

ただ、真っ向から前衛やりすぎたが故に、時に笑っちゃうシーンがあるw
今作のラストも笑っちゃいましたw

戸田重政美術はどんな小さなシーンも油断できない。
一見普通のアパートや貧乏宿やボロ小屋だって、扉を開ければ三次元の概念も曲がる亜空間w
人が押したら扉が外れるボロボロの小屋になんでモダン前衛三畳間があるんだよw
さらに扉を開けたらマッパテルミチの死す空間登場w
あのピカピカの御柱はどこから来たんだよw鴨居みたいな屋根と柱は何の跡だよw
ていうか一体孤島のどこなんだよここw石垣はどこからやって来たんだよw
扉開ける前の小屋の風景とあまりに違いすぎて、100%マッパの必然性無い尻の割れ目もクッキリなてっかてかのテルミチマッパ姿と合わせ技で思わず爆笑。幻影の小山明子が現れる素敵なエピローグも笑いでふっとんじゃいました。
こういう前衛やりすぎバカ演出、大好きです。

★華麗なる一族ものは妖しく薄幸じゃなきゃねえー

眉無し桜田一族を演じる俳優陣はおおむね満足です。
華麗なる一族もの映画の登場人物は、妖しく薄幸の薫り高くなきゃねえー。

なかでも乙羽信子の根性ドス黒い大奥様がサイコー。イヤミを繰り出す間合いと表情が絶妙で、つい何度もリピート再生してしまう。
佐藤慶のデスラー総統ジジイも評判通りに素晴らしく、ライティングのせいか肌の質感までデスラーに見える。最後に夜中のお屋敷でこっそり涙するシーンで、ジジイもまた名家一族の看板を背負う操り人形だったと種明かしする演技が見事でした。
戸浦六宏・渡辺文雄・小松方正の3バカ兄弟が歌うわ踊るわ芸達者ぶりを見せつけててうれしい。

欲言うと主人公の河原崎建三の役どころはもうちょい美青年がいいんですけどw
少年満州男くんが大島渚好みの直球ど真ん中美少年で、しかも全裸入浴シーンありなだけにルックスの落差に軽く腰がくだけますw

★やっぱり気になる喪服エロスの木

最後にATGのお楽しみといえばエロス。
小山明子の喪服筆おろしエロスは、期待通りのいやらしい白いふとももでした。
『お葬式』の高瀬春奈ほど過激じゃないですけど、まさぐってみたくなる美ふともも。白い足袋に包まれた足首とのバランスも完璧。まことに目の保養ですわ
細くて長いだけが美脚じゃねえ。
黒のしめやかなドレスには白くふっくらした美ふとももこそ良く映える。
喪服エロスは昭和女優に勝るもの無し!

(了)
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