スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

No.009『永遠の僕たち』

製作年:2011年
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ジェイソン・リュウ
ジャンル:青春メロドラマ

009.jpg

アングラお芸術実験映画好きにとって映画とは基本ひとり寂しく観るものだ。
コメディでもラブストーリーでもサスペンスでもなく意味不明な話だらけな難解映画を、自腹切って一緒に楽しんでくれる友達彼氏なんか、一般世間にそう転がっちゃない。

そういう意味ではガス・ヴァン・サントはバリバリの実験映画監督ですが、作品によってはまだ他の人と観れる余地はある。
とりわけ『永遠の僕たち』はガス・ヴァン・サントらしさも残しつつ、普通に青春映画として観やすくておすすめです。
名物の「長すぎて画面が動いてんのか静止してんのかすら時々わからない超長回し実験映像」が無いので、ハードな前衛マニアには物足りないけどw
普通人の友達や彼氏と一緒に映画見たい!映画観た後に人目をはばからず映画話したい!何よりうっかり「映画好き」とバレて「どんな映画がおすすめですか?」と聞かれた時に無難に答えたい!って時はこういう作品も重宝するものである。むずかしい映画の合間にほっと一息、ぜひどうぞ。
★予告編



予告編はソツがなく、出来はまー普通。
喪服のファー襟が可愛い。

★あらすじ(青字はネタバレあり

主人公イーノック(ヘンリー・ホッパー)は高校を中退して毎日ぶらぶら遊んでる孤独なニート少年。
趣味は他人の葬式に遺族のふりして参列すること。
幼い頃自動車事故に遭って両親は死去。自分も臨死体験をした事があり、そういう方面に興味がある。
リアルな友達はあまりいない。「友達」的存在と言えるのは、自分だけに見える日本兵カミカゼ特攻隊員の幽霊・ヒロシ(加瀬亮)。彼とゲームしたり話したりするのが好き。

ある日イーノックは他人の葬儀に行き、遺族の少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)に出会い恋におちる。
アナベルは鳥のスケッチが趣味の不思議ちゃん美少女だが、実は彼女は脳腫瘍を患っており、余命3か月と宣告されている。
とびきり繊細な心の持ち主ゆえ時にぶつかっては心を傷つけ合いつつ、アナベルの死まで残されたわずかな時間を、恋人同志として過ごす。

ちょっと変人だけど自分の哲学を持ち、若い恋人達を静かに見守るいい人な家族。
冷静だが心の暖かい大人な主治医。
時に相談相手になり、時に熱い思いをぶつけて、イーノックの心の支えになるイイ奴な友達(ただし日本兵の幽霊だが)。

こんな素敵な人々に見守られながら
ハロウィンの夜にちゃっかり初体験も済ませて
アナベルは幸せな思い出と共に天国へ旅立ち、イーノックは今度は本当に愛する人の葬式で弔辞を述べるのでありました。

★感想

…というお話を、ノーツッコミであらすじ書いてみました。
ぶっちゃけ2行目書いてる途中からケツがかゆくてかゆくてw
あらすじがやたら短いのはむずかゆさに耐えれないからですw

ガス・ヴァン・サント監督らしいっちゃらしい青少年の状況設定なんだが、「うわあ~」と萎えるくらいありがちな厨二病設定である。
トラウマ!不思議な能力!孤独な僕!難病少女!ちょっと変わり者だけどピュアな君と僕!人生最後の胸キュン思い出づくり!
どのシーンをとってもお涙頂戴。見てるこちらが照れるくらいストレートでベタな「泣けるラブストーリー」です。

見知らぬ人の葬式シーンで始まって自分の彼女の葬式で終わる展開、列車に向かって小石を投げてみる、病院で彼女の病気を治せー!と暴れる、
いつもは中性っぽいファッションの彼女が、ハロウィンパーティーで可愛く仮装して女子力アップ(日本趣味らしくミアが浴衣姿だ)
森の中の小屋に迷い込み、枯葉散るなかでロマンチックに初体験(でも性欲がっつりむきだしシーンはありません)
などなどコテコテの青春映画お約束シーンのオンパレード。
どこまでスイーツなベタやねん。

と文句を言いつつ最後までがっつり見れるのがガス・ヴァン・サント作品のいいところ。
やっぱりガス・ヴァン・サント作品のセンチメンタルな映像には、ベタな厨二病青春話がよく似合うなあ、と思います。

さて映画のみどころ。
ガス・ヴァン・サント作品ではおなじみハリス・サヴィデス撮影監督特有の、透明でリリカル映像が楽しめます。
しかし撮り方も撮る対象も編集も、90年代校のアメリカン映画によくあるパターンでありながら、ファーストシーンをちらっと見るだけで「あーこれだよこれ。いいわーこの感じ」と堪能できるのが凄い。
あとこの人の撮る空はいつも素晴らしい。理屈抜きで好きだ。

お次に役者。ガス・ヴァン・サント監督といえば「ご趣味」の美少年・美少女チェックは欠かせませんね
主役2人は期待通り。いかにもガスさん好みのアメリカンインディペンス系少年少女で実によろしい。

ヘンリー・ホッパーは若ーい頃のお父さんに顔の輪郭が少し似てるかな?とは思うが、70年代反逆児の曲者顔は全然継承されなかったようだ。ご本人もあのリンジー・ローハンのダチだから問題児のはずだがルックスに出ないですねw
短髪のミア・ワシコウスカは見た目薄幸少女度が高くて、余命3か月の役にはまってる。
髪の毛長い時は薄幸少女だとか思ったこと無かったがなぁ。ロングヘアの方が役柄の幅は広がるとは思うが、個人的に短い方が断然好きだ。

服は2人のイメージにぴったりなアメリカンガーリームービー(いいとこのお坊ちゃんお嬢ちゃん)ファッションでとても可愛い。
しかしダルメシアン柄のコートはとても可愛いけど、やっぱり細くて繊細な少女モデル系しか似合わないアイテムだなーと思う。
うっかり買っちゃおうか?と手に取った時にこの映画を想いせば抑止力になりますw

★加瀬亮の特攻隊服は萌える

だけどハリス・サヴィデス映像&美少年美少女なら他のガス・ヴァン・サント作品でも十分観れる。
わざわざ本作品を観なけりゃならん目的はただひとつ。
マイ一押し、カミカゼ特攻隊員の幽霊・ヒロシ(加瀬亮)に決まっておろう。

私は正直に申せば加瀬ちゃんのルックスが好きだ。
そして軍服着た加瀬ちゃんが好きだ。
元々加瀬ちゃんの坊主頭の端正な美しさは『スペック』で実証済みだし、『硫黄島からの手紙』の心優しい憲兵隊姿も萌えスイッチ押されまくりなんだが、特攻隊も憲兵隊に負けず劣らずよく似合う。
しかも憲兵隊姿は『硫黄島からの手紙』じゃたったワンシーンのご登場でしかないが(ああ勿体ない)、でも映画ときたら最初から最後までずーっと特攻隊服が拝めるのだ!良いのう良いのう!

ことに、特攻隊帽子がいい。ボアのふにゃんとした曲がり具合がいい。
幽霊らしいふわっとした佇まいもいい。
かわいい。
かわいいすぎる。
なんでこんなに似合うのか。

特攻隊員のはまり役といえば『連合艦隊』の若き中井貴一が有名で、細く長く涼しげで凛とした顔立ちにあの特攻隊服が素晴らしく似合ってたが、今回の加瀬ちゃんだって負けないぞ!
そりゃ中井貴一の格好よさは無いですが、儚げな佇まいになかなかクラッときた。
加瀬ちゃん萌えには目下ナンバーワン映画とおすすめできる。

ちなみにうめめちは中井貴一や加瀬亮系の顔が長めでちょっと寂しげな風情の男の顔が実はタイプなのである。
特攻隊員はまり役認定は私観ばりばり入りまくりですみません。でも中井貴一・加瀬亮以上のはまり役者がいたら教えてほしい。絶対観る。

★しかしご昇天は何だか気になる木

だがしかし。萌えるからこそ一言いいたい木。
ヒロシは幽霊だから最後はお約束通りアナベルをエスコートして天国へ旅立つのだが、
天国行きの服装がシルクハットと燕尾服でがっくり。
なんで日本の特攻隊員が燕尾服やねん!
白い着物に三角頭巾で逝けとは言わないが(それじゃーギャグ映画だ)、普通に特攻隊員のままでとか、紋付き袴か軍服で昇天しちゃダメなのか?

映画全体はベタネタでも、演技や小道具で繊細にエピソードを重ねて話を進めてきたのに、「アメリカンにわかりやすいファンタジーなオチ」で片づけたセンスがちょっとなあ。
定番オチでもイーノックの葬式演説の方は良かったが、日本テイストを入れたんだから最後まで日本式で締めてほしかったです。

(了)
関連記事
スポンサーサイト
テーマ: 映画感想 | ジャンル: 映画
No.010『地球に落ちてきた男』 | Home | No.008『エマニエル夫人』
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。