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No.133『エドワードⅡ』

公開年:1991年
原作:クリストファー・マーロウ
監督:デレク・ジャーマン
脚本:デレク・ジャーマン
ジャンル:おバカホモvs不倫妻カップルのドロドロ歴史劇

133.jpg

秋は英国。
ひらかたパーク大菊人形展、USJハロウィンナイトに並ぶ関西地方秋の3大イベントといえば。
阪急百貨店英国フェアですね。

関西のおばちゃんの心を不思議に惹きつけてしまい、気が付けばカロリー激高で粉っぽいパサパサ上等な英国おやつとかエリザベス女王の首振り人形とかタータンチェックのストールなんかを買っちゃう魔のイベントですね。
今年もやってくるらしい。

という事で便乗企画、秋の英国祭。
90年代お前衛映画好きなら誰もが1度はかぶれた事があるだろう、デレク・ジャーマン監督作品です。

詩と思想とゲイ趣味をコラージュした、意識高くねえとよくわかんねえド前衛作風のデレク・ジャーマン作品群の中では、例外的に話がわかりやすい唯一の映画。

原作はシェイクスピアと同時代に書かれた古典歴史劇で、そりゃもう格調高く詩のようなセリフで中身はドロドロにエグいお話ですが、さらに現代のゲイ事情をミックスさせて
実にゲッスいメロドラマに仕上がっております。

話はドロドロの下半身事情、演出と舞台装置はド前衛。
ピーター・グリーナウェイよりギンギラ絢爛度は低いけれども素晴らしくうめめち好み。
若き日のティルダ・スウィントンのコスプレ祭りも見どころです。
★予告編



映画の雰囲気がわっかりやすい予告編。おファンシーリボンスーツ(後述)が一部見れる。
踏み絵にどうぞ。

★あらすじ(青字はネタバレあり

舞台はプランタジネット朝のイギリス。鎌倉時代あたりの話らしいが、豪華なお城も騎士もドレスも出てこない。
オープニングはゲイカップルがマッパで腰振ってる乱交ヤリ部屋w
いきなりデレク・ジャーマン節全開です。

ゲイの幼なじみとバカップルしてたおかげで偉大なる父ちゃん王に追放されたバカ息子、エドワード(スティーヴン・ウォーディントン)は幼なじみとの仲を引き裂かれてふてくされ、厨二病な自堕落ニート生活を送っていた。しかし父ちゃん王が崩御なさったので故郷ロンドンに戻って来る。

英国王に即位したエドワードは、速攻で幼なじみ兼彼氏のガヴェストン君(アンドリュー・ティアナン)を呼び戻し、人目もはばからずバカップル再開
国王は彼氏と毎日王座でやりまくり、彼氏に伯爵・宮内大臣・国務大臣の位を与え、もちろん税金は遊びに使いまくり。

即位早々のバカっぷり炸裂に眉をひそめた父王の元側近・ウィンチェスター司教(ダドリー・サットン)はお小言を物申すが、逆に「俺らの事を前王に告げ口して愛を引き裂いたにっくき敵!ひとでなし!」と恨んでたガヴェストンの手で逮捕され、マッパで牢屋の鎖につながれて看守のちんちんをくわえさせられるw

敵を失脚させて調子こいたガヴェストンは、王座にマッパでヤンキー座りして謎のケチャダンスを踊りながら、国家の重鎮どもをバカにしまくる始末。
さすが厨二病。後先考えずやりたい放題だ。

★キスさえイヤでも子供はできる

しかしわが世の春のバカップルの陰で、政略結婚の美人嫁イザベラ王妃(ティルダ・スウィントン)は不遇の日々に耐えていた。
彼女は旦那がゲイなので他の女に王妃の地位は奪われないものの、旦那からセックスどころか挨拶のキスさえ拒まれる最悪の夫婦仲であった。
いかし何故か息子が生まれてる不思議w
まぁ昔はそれなりに頑張ったんでしょう。

最初はイザベラだって夜の生活を拒まれても旦那を愛してたが、増長したガヴェストンに小馬鹿にされ、さすがに我慢の緒が切れ始める。そんな可哀想な王妃の周りには次第に、バカ兄王に眉をひそめる弟ケント王子(ジェローム・フリン)や重臣モーティマー(ナイジェル・テリー)などが集まってくる。
それにしてもナイジェル・テリーが全身豹マント&耳ピアスのギラギラ野郎。どこから見てもカタギじゃないんですが。
王もアレだが重臣もコレって凄い国だなw

さてエドワード王と彼氏の放蕩生活が遂に国庫の金を空にしちゃって家臣一同ブチギレ。
「いい加減にしろ。なんで世間に後ろ指さされるバカップルな恋愛なんかするんだ」と詰め寄るが、王は「あいつの愛は世界一ィィィ」と厨二病全開でほざくばかり。
こりゃアカンと家臣はガヴェストン追放令を連名で書き、王にムリヤリ署名を迫る。

★メソメソ泣きつつモラハラかますバカ旦那

王は「インクの代わりに涙で署名する」とボロ泣きしながら嫌々署名して、何故かアニー・レノックスにラブバラード『Ev'ry Time We Say Goodbye 』を歌ってもらいながら別れのダンスを踊る。
で、ガヴェストンが追放された後は毎日ひとりでめそめそ泣いてばかり。

ああっ、女々しー!うぜー!
王座でやってばかりのバカップルの癖に、何をいきなり純愛モードになってんだよ。
バカ王はさらにイザベラに八つ当たり。
「モーティマーと不倫してるんだろ淫売婦。お前がガヴェストンを連れ戻してくれなきゃ離婚してやる☆」と脅す。
不倫などしてないし、まだ夫を愛する心が残ってたイザベラは、根負けして「連れ戻すよう動きます」と色々手を尽くしてガヴェストン釈放に奔走する。
するとエドワード王はコロッと手の平返し。「でかしたー。やっぱお前が好きだよ」とほざいて(嫌々)夜の営みやってやる。
とんだモラハラ旦那じゃねえか!目を覚ませイザベラ!

で、夫婦仲は一時ぴこっと持ち直したものの、追放された彼氏が戻った途端に王はラブラブタンゴ踊ってお出迎え
嫁は再び「お前用済み」と邪険にされる。
ひっでーわ。
完璧にキレたイザベラは、モーティマーと本当に不倫に走ってしまう。

★復讐の戦いはゲイデモvsテレビ演説

王妃を悲しませる元凶ガヴェストン憎し!と燃えるモーティマーはどさくさに紛れてうっかりwガヴェストンを刺してしまい逮捕。マッパで(ここの牢屋はマッパが基本w)ハイヒールで踏まれるお仕置きを受ける。(お仕置きってより嬉しそうに見えるが…)
復活したガヴェストンは反王派の家臣や弟王子まで次々遠ざけ、再びやりたい放題の日々を送る。

仏の顔も三度までじゃー!
腹に据えかねた反王派はイザベラ王妃と幼い息子のエドワード王子(ジョディ・グラバー)を担ぎ出して反国王クーデターを起こし、にっくきガヴェストンを暗殺する。
ああ愛する彼氏と永遠の別れを迎えるとは。
王はメソメソ泣きながら、「くやしー!父王に代わってお仕置きよ!」と復讐の炎を燃やす。

さあ、王と王妃の泥沼の権力闘争が繰り広げられる!が、ここはポストモダンお前衛映画の世界。
王はゲイのお仲間を引き連れて、「同性愛ハンターイ!」とデモ活動を始めるw
平和じゃねーかwと思ったがそれは国民向けポーズで、陰では反乱軍リーダーを捕まえて、お肉と一緒に吊るして肉屋コスプレで嬲り殺すというフランシス・ベーコンさんばりにアートな残酷処刑パフォーマンスでお愉しみ
そりゃ腐ってもイギリス国王が、肉切り包丁持ってがっつり人刺し殺して血まみれでアハハと笑っちゃあかんがなw

一方、反王派はテレビ演説で国民アピール。
美貌の王妃がお涙頂戴で切々と訴えちゃあ、バカ王は勝ち目はありませんね。王妃の国民的人気が後押しして親王派は敗れ、お仲間は虐殺され、王はロンドン塔に監禁されてシクシク泣く日々。
やっぱ泣いてばかりなのかヘタレ王w

★ティルダ王妃様最強!だがどんでん返しが

権力を握ったイザベラ一派だが、早速内紛発生。
弟王子がモーティマーに拷問された挙句、なんとイザベラに首を噛み切られて死亡。
すげー歯チカラw吸血鬼並みやんかw
邪魔者を始末した王妃は息子を王位につけて影の女帝として君臨し、ギンギラジャラジャラアクセサリーをつけまくり、情夫モーティマーを従えて高笑い。
そしてイザベラは最後の仕上げに、渋いイケメン暗殺者に元旦那の始末を命じる。
暗殺者登場で怯えるヘタレ王は、「ハードゲイに捕獲されて股を開かされて尻に火箸を突っ込まれて死ぬ」悪夢にうなされる。
ひいい!『卑弥呼』ばりの殺され方じゃねーか。史実のエドワード2世はこの方法で殺されたらしいが。

だがしかしイケメン暗殺者は王を殺さなかった。
「私の手は罪なき者を殺さない」と暗殺者に言われてキスされた王は、こっそり生かされるのでした。

えー!どこが罪なき者だ!
バリバリ罪ありまくりじゃねーか!

一方で、最強イザベラ&モーティマーにも悲劇のどんでん返しが待っていた。幼い息子王子(すなわちエドワード3世)は、実はパパの影響でゲイだったのだw
ラストは檻に入った王妃と情夫が、フルメイク金じゃがイアリング姿の息子に目の前で踊られバカにされる、良いオチついたね♪なシーンでジ・エンド。


★感想

ドロドロ泥沼でいいわー
一部納得いかない個所もあるが(暗殺者とか)
英国史に詳しくなくてもわかりやすく見れる。
90分でまとめるにはエピソードが盛り沢山で、大河ドラマのダイジェスト版観てるみたいな感じもしますが、素直にゲッスく面白いです。

デレク・ジャーマン監督はガチゲイだから「男同士というだけで迫害される悲恋」方向に持っていきたい気持ちがありありですが、エドワード&ガヴェストンがバカップル過ぎて同情心が沸かないのが弱点かw
エドワード2世は英国王室史では屈指のバカ王と呼ばれてるお方なので、美化するにも限度があったんでしょうw

★ティルダ・スヴィントンにリボンスーツはちょっと

さて衣装チェック。
お前衛現代ミックスな作りだから、世界に冠たる英国王室ドラマ名物の豪華絢爛キンキラ衣装祭りは無いです。
でもティルダ・スヴィントンはひとり豪華絢爛
いやあステキぃ。眼福。
90分で何回お召し物チェンジがあったか不明なくらい、ゴージャスドレス&スーツ尽くし。
1991年の映画だから時代はバブルファッションwですが、180㎝スパモばりのスタイルと不思議な美貌で見事に着こなしてます。

着る人が着ればお綺麗ねーバブルスーツでも…とうっとり見てたが、アレだけはどうよ?
ジャケットの真ん中をリボンがドーン!と占拠するザ・バブルな甘々スーツw
しかも頭はスカーフ&グラサンでキメキメw
オカマさんに見える。あれだけはムリw

あの手のリボンがドーン!なスーツってバブル期には「お嬢様ファッション」と言われて、お見合いの人気ファッションだったらしい。しかも黒地はまだシック(地味)な方で、赤やピンク地のスーツも人気だったらしい…
………
ほんとに見合いで男性と初対面で会う時に、あんな仰々しいリボンスーツ着て現れたのか。
怖ええw
私が男性側なら逃げたいw
時代の流行りって怖いですねえ、とバブルファッション画像を見るとよく思います。

男性俳優陣ファッションはおおむね地味だが(主演がタンクトップとシャツばかりじゃねー)、ナイジェル・テリーは『LEON』系モテオヤジ系のギンギラな輝きを放ってました。
あと息子王子がイアリングの似合う美少年だ。
可愛いがその後どう成長したか心配だw

★どうでもいいが気になる国庫の金の使い道

話はゲスいが英国俳優の演技はしっかり良いし、映像もヨーロッパ絵画の「陰影が強く根暗な中でふんわりきらきら輝く金銀パールなシズル感」が表現されてて良かったです。

しかしヘタレエドワード王って国庫の財布を空にするほど何に金使ったんだろう?とこの映画だけ見る限りでは疑問に思うw
服は地味で館は地味だし(前衛舞台仕様で石の壁ばかり)、趣味はお仲間と筋トレだし、風呂場が暗くて冷たくて心臓に悪そうだしwアニー・レノックスやオーケストラお抱え代か?
王妃とモーティマーの方が断然派手じゃんかw
現代ゲイなりのムダ金のかけ方を見せてくれればもっと良かったかも。
どうでもいいが気になる木。

(了)
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