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No.139『鴛鴦歌合戦』

公開年:1939年
監督:マキノ正博
脚本:江戸川浩二
ジャンル:踊って歌って恋してハイパー時代劇オペレッタ♪

139.jpg

クリスマスを呪った後は(呪うのかよ)
新春あけおめ。

いつもは前衛アングラお芸術情念ドロドロわけわかめ謎展開謎理論が渦巻く映画のブログですが、
やっぱり正月は頭使わず観るのが一番!明るく楽しく参りましょー♪

という訳であけおめ第一発は、日本映画史上最も頭使わないで観れるキュートでバカ明るい超名作。
1939年公開ってすごいな。第二次世界大戦勃発の年で、『風と共に去りぬ』も同じ年に作られたとか。いやもう歴史の彼方ですわ。
★まだこの映画を観た事無い方へ

さすがに古すぎて予告編などなさそうなので、ディック・ミネの殿様ソングを踏み絵にどうぞ。



★あらすじ

「日本映画史上最も頭使わないで観れる」が嘘じゃないくらい、あらすじはどーでもいい話であります。
どーでもいい話、大好きだ。

傘屋の看板娘お春ちゃん(市川春代)はイケメン浪人・禮三郎(片岡千恵蔵)に惚れている。
禮三郎はイケメンですからとにかくもてる。恋のライバルは金持ち娘のツンデレお富(服部富子)。さらに元カノの藤尾(深水藤子)がヨリ戻しに来たりして、お春ちゃんはいつもハラハラ焼きもちばかり。

そして傘屋の家計はいつも火の車。
ダメパパ志村狂斎(志村喬)が骨董狂いで、食事代削ってガラクタ骨董を次々買って来るんで、お春はブチギレながら貧乏人御用達食の麦こがし(今じゃロハス食ですがw)を食べる日々。
という、昭和少女ロマコメ漫画の王道設定である。

★タイプを見つけると血潮が燃えるバカ殿様

そこへ登場するのが、「僕は若い殿様~♪僕はおしゃれな殿様~♪」と自画自賛の歌うたいながらスウィングするバカ殿・峯澤丹波守(ディック・ミネ)。お富に一目惚れして「側室になって♪」とナンパして「正妻じゃねーのかよ!」とお富をキレさせる典型的な金持ちバカボン。
しかもお春パパと同じ骨董狂いで、ある日悪徳骨董屋に偽物をつかまされてクレーム入れに来たらダメパパがいて意気投合。勢いでダメパパに50両の絵を買ってあげる。

ところがバカ殿、お春ちゃんを見た途端に「血潮が燃えるぞ♪あの娘にまいった~♪」と一目惚れロックオン。
血潮が燃えるてwお富はどこいったよ。
で、「50両の代わりにお春をもらうぜ☆」と宣言しちゃったんで傘屋父娘は大騒ぎ。

★2分で1曲!驚異のハイペースオペレッタ

これが70年代東映バカエロ映画なら、お春とお富は大奥で閨技仕込まれあーれ帯くるくる、エロの火花散らしてイケメン浪人と駆け落ちして…となりますが、この時代の映画はあくまでも健全ロマコメ。
恋のさやあて&父娘の絆をメインに、歌って踊ってちょこっと立ち回りしてて無事解決。

ていうかあらすじそっちのけで驚くのが、歌が怒涛のハイペース。
なんと上映70分弱で32曲!
2分で1曲である。
麦こがしの歌だの傘の歌だの通り雨の歌だのお富LOVE歌だの茶碗の歌だの何でもかんでもネタにチャッチャと歌いまくる。
3曲連続メドレーするわ、ダメパパは借金返せず夜逃げのピンチで♪すっからかんで夜逃げの歌♪を歌うわ、平家物語ネタのPVタイムまである始末。
オペレッタ無法地帯である。

さて物語の最後は、お春とイケメン浪人は無事くっつき、実は麦こがし入れのだっさい壺が1万両するお宝物でしたー!と判明。
でも浪人に「成金は嫌いだ」と言われて無謀にもその場で壺を叩き割るお春ちゃん。
壺は落として割れるけど♪
割れないものは真心よ~♪
とみんなで歌って大団円のジ・エンド。

★感想

頭からケツまで隙が無く能天気なハイパーロマコメオペレッタ。
怒涛の歌とテンション高さと明るい笑顔で日頃のすさんだ気分も一発ぶっ飛ぶ、高性能除湿&癒し映画です。
1939年なんて歴史の授業じゃ大戦前夜の暗い時代としか習ってなかったので、映画のハイパーなバカ明るさとの落差にクラクラします。

今年の正月はこれと『マッドマックス怒りのデス・ロード』を観てまして、なかなかのヒャッハー祭りでしたw
確かに並みのほっこり&癒し系映画じゃ本作のハイパーテンションに敵いません。マッドマックスやインド映画と並べるとようやくつり合いがとれるかも。くらいの勢いです。

★やっつけ仕事だが恐ろしくセンスいい

そんな怒涛のハイパー攻撃だけでも凄い作品だけど、「伝説の名作」「幻の傑作」とかいう肩ひじ張った雰囲気は全然なし。
むしろあらすじとテキトーな役名でお分かりの通り、撮影期間わずか1週間のやっつけ仕事だったそうで、セットや美術は常設スタジオの使い回しなのが見え見えだったりする。

でも撮影が恐ろしくセンスいい!
場面さばきが抜群に上手い!
可愛い傘をくるくる♪シーンが猛烈にキュート!
と思ったらやはり撮影監督は宮川一夫でした。
私が説明するまでも無いくらい日本歴代No.1の名撮影監督ですが、名手だけに肩凝る作品が多くて鑑賞に困ります。これだけガーリーキュートに撮れるんだったら、もっとガーリーな作品を撮っていただけだら良かったのに。
まだまだ私が観切ってないからだろうか。

音楽もモダンジャスは当時最新のイケイケ系アッパー音楽だったそうで、それとオペレッタと時代劇で映画作るって事は、今どきで言うたら「男はつらいよEDMミュージカル」?
相当冒険してる感じですがwその割に歌と踊りと脚本・撮影の合わせ方がこなれてる。

「日本人の和洋折衷する才能は素晴らしい」とうっかり書いてしまいそうですが、スター・ウォーズのパチモン映画群その他での日本映画の惨憺な状況を考えるとwマキノ監督は流行りの洋モノを消化するセンスが抜群に上手かったんだなあと感心します。
こういうセンスだけは金でも努力でもなく才能あるのみですね。うらやましい。

★何だか気になるディック・ミネ

さて役者の印象。
とにかくダブルヒロインの傘屋のお春&ツンデレお富が猛烈に可愛く、志村喬のダメパパも味がありましたが(老け役だが歌声はさすがに若かった)、何と言ってもインパクト強いのがディック・ミネのバカ殿様でしょう。
演技は棒だが本職の歌はええ声~♪でした。
あと個人的には日本の役者史上で一番「女たらしのバカ殿」が似合う顔だと思う。ノホホンとした気の良いボンボンっぽさと鼻の下の伸び具合が絶妙。

しかしディック・ミネをだらだら語る機会など二度となさそうなので語りますが、
ディック・ミネと言えば
デカい
で昭和芸能史に名を遺した人ですね。
ロシア娘もビックリ!
ヘソまで届く!
コンドームのサイズが無い!
の逸話で有名ですね。

時代劇じゃ特にチョンマゲ頭の形状が「デカいのか…」と連想されやすくて、観てるとなんか困ってくるw
いやほんとにデカそうな頭してるってw
よろしければ一度じっくり観てくださいw

しかしディック・ミネの芸名の由来って、別に自発的に調べた訳じゃなく気が付けば脳味噌にインプットされてたのはなぜだろうw
自分はともかくうちの実家はそれほど下品全開じゃなく普通に慎ましかった家だと思うんだが。いつの間に誰から聞いたんだこんな話。自分の頭ん中をほじくり返せば、妙な雑知識がボロボロ出てくる気がしてならない今日この頃です。

(了)
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