No.143『0課の女 赤い手錠』

公開年:1974年
原作:篠原とおる『0課の女』
監督:野田幸男
脚本:神波史男、松田寛夫
ジャンル:ザ・70年代!濃厚ピンキーバイオレンス映画

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女性活躍推進法が施行されるってことで、日本の女性公務員がバリバリ活躍する映画。
なんか意味違う気がするけどまーいいか。

濃いですよー。何もかもくどい。
展開濃い、キャラ濃い、ファッション濃い。
前に感想書いた『ジュテーム・モア・ノン・プリュ』と同時期に作られたと到底思えないベタベタな昭和臭。
ああ濃いのが観たい!昭和の劇画テイストを全身から浴びたい!昭和で体がうずいてたまらないわ!
な気分の時に是非どうぞ。
しかしそんな人間私以外にいるのかよ。
★予告編



暴れ太鼓みたいに真っ赤にうねる題字が、うおお濃い!とわくわくさせる予告編。
これが昭和劇画ムービーだ!な場面の数々。画面もぎっとり豚骨ラーメン仕様。
ラブホの風呂場の背後にちんまり鎮座する小便小僧が何気にツボだw
踏み絵にどうぞ。

★あらすじ(青字はネタバレあり

舞台は横須賀のディスコ。
サタデーナイトフィーバーなねーちゃん目当てに、外人さんがバーテンダーにウィスキーを一杯注文。
カウンターの端からグラスを滑らせてHEY YOU!イカしたお前にプレゼント☆
という昭和なナンパシーンから始まる。

警視庁0課特命刑事のねーちゃん、零(杉本美樹)はホシの変態外交官にゲットされて
速攻SMプレイの餌食になる
冒頭から惜しみなく乳首丸出し胸もまれまくりでなかなか体張ったおとり捜査だが、
やってる最中に「お前のSMプレイで死んだ仲間のエミィの仇だぁ!」と
特注品の赤い手錠で首ブロック&股間打ち!
犯人逮捕どころか容疑者を私刑でぶち殺して自分が逮捕される。

冒頭から週刊新潮のエロい事件簿みたいな展開ですが
お約束の「三原葉子率いる女囚リンチ」をされてたら(三原葉子は半裸同然のランジェリー一丁wすげえw)
丹波哲郎首相の特赦が出たとかで、あっさり釈放される。
首相令嬢・杏子(岸ひろみ)が誘拐され、極秘で事件を解決せよと特命を受けたからだった。

★脂ウェスタン、トラG、ヤマンバメイクの三原葉子

谷警視正(戸浦六宏)と日下警部(室田日出男)の指揮下に入り、
「人質は生きて連れ戻す。犯人は射殺してもOK」とフリーハンドすぎる捜査権を与えられた零は、
トレードマークの真っ赤なトレンチ(エロかわいい)に警察手帳・ピストル・手錠も赤づくめなスタイルで、
誘拐犯が要求した身代金3000万円(やっすいなー)の受け渡し現場に急行し、犯人グループをさっくり逮捕。

…と思ったら犯人を逃してあげて、「協力するわよ」なんて一緒にアジトについていく。
まぁもちろん身代金はダミーですけど。

さて誘拐犯グループのお名前は
「横須賀の玉ころがし」
名前も昭和全開だが面子も濃いw

主犯はムショ帰りの愚連隊野郎・仲原(郷英治)。
1週間タレ漬けしたチャーシューを思わせるぎっとり脂肌に謎の黒いウェスタン仕様。
相方のサブ(荒木一郎)はグラサンヒゲにGジャン、
Gジャンの背中はヘタ過ぎるイラストの虎模様w
趣味はナイフで木彫り人形づくりw
アジトの女主人は「いつの間に拘置所出たんだ」三原葉子。
なんと90年代eggギャル先取りな白ウィッグにヤマンバメイクの強烈なルックスで
バーカウンターに並べた丼とラーメン(どちらも大盛り)を交互に喰らう強烈なキャラクターwww


他にも勤め先の店名プリントしたツナギで犯罪現場に行きやがるバカ自動車工とか、
仲原の弟の童貞君(小原秀明)とかがおります。主犯以外は結構若いメンバーです。
もちろんアジトは場末のスナック。
名前は「純」。
いかにもです。

犯行の模様も昭和らしいというか大胆かつ雑。
昼間の河川敷で人目を忍んでカーセックスしてた(忍んでるか?)首相令嬢&学生運動家彼氏を
襲って車から引きずり出したら、彼氏はその場で殺し令嬢はマワす。
ついでに童貞弟も記念に筆おろし
周りに道路建物がある場所でこんな派手にやって目撃者が1人もいないのは奇跡だ。

令嬢はアジトに監禁されてひどい目に遭うが、なんとかシンドロームのセオリー通り童貞弟と恋に落ちる。

★戦慄!血のバスタブに浮かぶメロン乳!

さてアジトに行った零は洗礼というかお約束で警察の手先かどうか身体改めをされる。
要は脱いで乳もまれてやられて鞭打ち拷問
相変わらず女の体張ってます。
特殊勤務手当はいかほど出るんでしょうか。

さらにヤマンバ三原葉子とは「あっ!お前はあの時の!」なご再会をして
なぜかレズプレイされながら「お前の正体ばらしてやろうか」と強請られるが、
こいつは面倒なのでさっくり殺害。
哀れ三原葉子は全裸でバスタブに沈められますけれど、
凄いです。戦慄です。

真っ赤な血風呂に浮かぶ
あやしいメロン乳2玉。


『エルム街の悪夢』の「股から爪」に匹敵するショッキングなバスタブ殺人シーンであります。

てめー仲間を殺しやがったなゴルァァ!と怒る玉ころがしメンバーに、
「あたしをサツと疑う奴はこうなるんだよ!」と逆に脅す零。
3000万円が偽札と判りゴルァする仲原にも「ちっせえな!1億要求せえよ」とけしかける。
玉ころがしメンバーは言われた通りに1億要求して取引現場にのこのこ行けば
室田日出男警部が待ち構えてて下っ端1名をさっくり始末する。

で、下っ端が帰ってこない事態に「1億持ってトンズラしたんじゃないの?」と
零に鼻であしらわれて煽られて、メンバーが簡単に仲間割れしはじめるし、
童貞弟は首相令嬢を逃がそうとして見つかって仲原兄貴にビール瓶で血だるまに殴られ殺される。
その横でサブは黙々と首相令嬢に注射打ってシャブ漬け。
絵に描いたような昭和ドラマの、凶悪な割にドジな犯行グループっぷりである。

★首相秘書vs愚連隊。人を人と思わぬ鬼畜度はどっちもどっちだ

仲原は「ここはサツに見つかった、ずらかるぜ!」とスナック「純」を出てアジトを変えたはいいが、
よりによって横須賀米軍基地のアーミーハウスの検問をぶち破ってド派手に突入しやがる。
蜂の巣にされる気満々だな。
無茶苦茶やーw

お家で平和にロミオとジュリエットの芝居稽古してた外人家族は、男はボコボコにされ女はマワされる。
でぇぇぇやぁぁ!と脂のしたたる勢いで極悪非道を炸裂させる仲原のハイパーテンションに
ちょっとついていけない一味の稲葉(遠藤征慈)は逃亡しようとして警察包囲網に捕まる。

連行された拷問小屋で裏切り者を待ち構えてたのは
バーン!丹波哲郎首相と秘書軍団!
玉ころがし一味の情報を吐け!と拷問される稲葉だが、秘書軍団の拷問が警察よりひでえ。

両手を万力でギギギとねじ上げ!
口は水道のホースくわえさせて水責め!

股間にバーナー!

おまえらどんだけ拷問の手練れだよw
首相秘書って秘密警察か何かかよw

秘書のスーパー鬼畜拷問でゲロった稲葉は、警察のスパイになれと脅されハウスに帰されるが、
バーナーで股間も知能もファイヤーしたらしくものの数分でスパイだとばれる。
逆上した仲原&サブは稲葉を殺害。
アーミーハウスを外人人質もろともファイヤー!令嬢と娘を盾に銃乱射しながら警察と激闘!の暴挙に出る。

乳丸出しでシャブでラリってる娘の姿を見て
「あられもない娘の姿と極秘捜査がばれる」と危惧した首相は(検問突破でばれてると思うが…)
自分の政治生命を守るため「犯人も零も娘も含めて全員処分。証拠隠滅せよ」と指令を下す。
しかしなんで首相自ら極秘捜査現場に出向いて警視庁の一警部に直接指示を出してるんだ。
秘書に拷問させてるし首相はヒマなのか?

★室田日出男警部・ゾンビ伝説

首相の指令って事で一気にアクセルを踏まざるを得ない捜査陣は
幹線道路でカーチェイスしてピストル撃ちまくりの『極秘捜査』と真逆のやりすぎ祭りに突入。
崖だのぬかるみだの謎のトラップもあり、現場の刑事は室田日出男警部を除き全滅状態。
それでも室田警部は犯人&人質グループを街の外れのゴミだらけスラムへ追い詰める。

しかしその寂れたスラム街は、仲原が生まれ育ったホームタウンだった。
さらに突然台風並みの猛烈な嵐が直撃!
TMレボリューション並みに不自然な爆風を受け、泥だの血だのゴミだのにまみれながら
零&室田警部vs.仲原&サブがラストバトルを繰り広げる。

虎ジャンのサブは室田警部と相討ちで死亡。
室田警部は仲原が撃ったドラム缶の油を浴び全身火だるまで焼死。
零はスケバン刑事必需品の真っ赤な鎖で仲原と攻防を繰り広げ、とどめはデスハンギング。
やれやれ一件落着となったところで

なんと火だるまになったはずの室田警部がゾンビになった。

というか焼死寸前で生きていた設定なんだが、どこから見ても全身溶けてて、もろゾンビ。
顔とか2/3ほど潰れてますがー!
ギャー!
特殊メイクの技術はともかく気合入り過ぎ!

ゾンビ室田は「だ”す”げ”て”~」と救助を求めるふりして零を襲う!
ゾンビでも首相の指令を忘れぬ忠勤ぶり。あっぱれ警察の犬の鑑である。
しかし零の赤ピストルで致命傷を受け、血しぶき体液をプッシャーしながら最後は成仏される。

零は首相令嬢の顔を泥水につけて正気に戻し、タクシーで警視庁前まで乗り付ける。
事件の真相を知ろうとマスコミ記者が待ち受ける所へ令嬢を送り出して極秘指令が世間に知れる様子を見届けると、
丹波哲郎首相の車とすれ違った瞬間に真っ赤な警察手帳を破り捨て、ひとり警察を去る零。
一匹狼カッコイイ!なジ・エンド。


★感想

私が説明書くとただのギャグだけどw
70年代の熱いやさぐれ感が画面から匂ってくる、熱く泥臭いハードボイルド映画でした。

昭和の不良・スケバン映画は面白いがアクションのレベルは恐ろしくピンキリなんですが
こいつはド派手で血しぶきバイオレンスで粘っこくて大満足。
昭和成分を補給してお肌ギトギトw

★とにかく悪役が濃い!熱い!ゲスい!

真っ赤なトレンチ&手錠の杉本美樹はカッコ可愛いしガッツリ体張って良かったけど、
(ただしこの人はいつも演技が素晴らしく棒読み。三行以上の長台詞をしゃべらせちゃいかんw)
丹波哲郎の大物演技も戸浦六宏のちょい役もまぁいつも通りで満足でしたが、
しかしこの映画のメインは悪役である横須賀の玉ころがしwの面々でしょう。

昭和B級映画のキワモノ役者の底力をさあ全身に浴びやがれ!とばかりにゲスく飛ばしてくれます。

とりわけ熱いのが郷英治。
キャラの立ち具合は豚骨ラーメンで例えるならレンゲが立つくらい煮詰めたドロドロ超濃厚w
表情も動きもすべてが池上遼一調。
すごい目力。
そしてしたたる汗、いや脂。
顔ひきつらせて目を見開くシーンは全部「くわっっ!」ってフキダシと集中線をつけたいw
そしてこめかみには縦線いっぱい引きたいw
郷英治のやさぐれた悪人顔って好きだわー。実は宍戸錠よりお気に入り。
関係ないけど宍戸開のお肌の脂の乗り方はお父ちゃんより郷英治に似てる気がする。
どーでもいいですがw

三原葉子はあーいうオバハン顔のギャルがリアルに渋谷にいたかもしれないくらい、
ヤマンバメイクが馴染んでたw
昭和お色気映画で三原葉子が出てくるとどんないじめ&お色気ゲスプレイが飛び出すか
わくわくしながら観ちゃいますが、
今のところ血の海に浮かぶメロン乳がマイベスト三原葉子です。

そしてうさんくさい事MAXな荒木一郎。
とにかくしゃべらない。
セリフ1個か2個しかないw
ただ黙々とシャブを打ち暴れる。
『日本春画考』でもこの人はそうでしたが、自然に根が曲がってそうな匂いがします。
劇画に走りがちな面々の中でシラケぶりとふてぶてしさがリアルで良いです。
ヘタすぎる虎ジャン着てるくせにw

★衣装が「曲者」な映画はステキぃな映画

しかしなんだったんでしょう、あの虎ジャン。
あの福本伸行の人生画力対決の名作「犬と猫」ばりにヘタな謎の虎はw
何故にアレをチョイスしたんだろう。笑わせたいのか何なのか。
荒木一郎のキャラと余りに合ってないw
三原葉子のガングロギャルセンスといい、この映画の衣装メイクさんは相当の曲者とみた。

うめめちはファッション馬鹿なので
映画のファッションメイクをあーだのこーだの勝手に言うのが大好きなんですが、
一番あーだのこーだの言いたくなるステキぃな映画って何?といえば、
豪華な衣装でもハイブランド映画女優衣装でも真似したくなるセンスのリアルクローズでもなく
謎なセンスのビミョーな衣装であります。

この醍醐味は例えばですね、
ラグジュアリー系ド派手おばちゃん御用達なハイブランドショップにわざと行きまして
すげーやりすぎモードなデザインの服をすげーぶっとんだコーデで合わせている様に
「誰がいつどこで着るねんコレ」と散々悪口言いながら鑑賞する楽しみに通ずるものがありますね。

自分じゃ絶対に着たくもないが鑑賞するとわくわくするあっやっしー曲者ファッション。
ドラマのタイアップ衣装じゃほぼ見かけないし、平成映画はパンチが弱い。
でも昭和映画ではたまに見る。しかも予想外の謎コーデで攻めてくるw
そういう意味でも昭和サイコーです。

(了)
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