No.149 『鬼婆』

公開年:1964年
監督:新藤兼人
脚本:新藤兼人
ジャンル:中世肉食女子のドロドロホラー

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真夏に新藤兼人監督作品を観よう企画。
夏休み名物・納涼ホラー特集を兼ねて、極め付きの化物映画でお楽しみ

しかし化物映画といっても、そんなにグチョグチョのスプラッターが出る訳じゃない。最後にショッキングシーンもあるけど、白黒だから生々しくないし。
しかしなんか人間ドラマというより「サバンナに生きる野生の動物王国」ドキュメンタリーを観てる気分になる。
最強の肉食ワニvsサバンナの掃除屋ハイエナvs巨体をもんどりうつヌーの大群!生死を掛けた極限バトル!とかいうノリである。

えー本当かよ?また大げさにふかしやがって、と思ったあなた、冒頭10分でいいから観てください。きっと意味が分かるから。

★予告編

Dailymotionの予告篇がありました。
海外レーベルメーカーが製作したもの。編集のセンスがいいなー。

★あらすじ(青字はネタバレあり

日本の地に広がる野生のサバンナ、いや一面のすすき野原に穴がある。

穴。
暗い。
古代から近代へ、闇を透して通じる…。

新藤監督がお好きなポエムの時間から、映画は(最初だけは)静かに始まります。
岡本太郎のタイトル文字が風になびくススキに舞ってきれい。

舞台は南北朝時代の「芒ヶ原」と呼ばれる広大な野原。ロケ地は印旛沼だそうです。
辺りでは戦が盛んに繰り広げられてて、野原には落ち武者の死体がゴロゴロ。立派なすすきの栄養源になっとります。
今日もまた傷を負った落ち武者がすすきの狭間でさまよっているようです。

すると背後から槍でブッスリ!!
落ち武者にトドメ刺したのは浮浪者さんのメス2匹。

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ゲロ汚い顔でギラギラした眼で獲物を引きずる浮浪者さんの第一印象はハイエナ。
良くて野犬。
まじで2本足で歩く野生動物。
母ハイエナがまとう布っきれにカニの模様が描いてなけりゃ猟銃で撃ってしまいそう。
2人は手馴れた様子で獲物から金目の鎧や武具を引っ剥がし、ふんどし一丁の死体を穴に突き落とす。どうやら追いはぎを生業にしてるらしい。ガチで鬼畜ハイエナやなw死体食わないだけまだマシか。

そんなハイエナ2匹が映画の主人公。
カニ柄着物の母ハイエナが乙羽信子40歳。当ブログではご存じ、元・宝塚娘役で百万ドルのえくぼちゃんな清純派女優。
子供ハイエナが吉村実子21歳。吉村真理の妹さん。
ちゃんとした美人女優じゃないですか。ちゃんとしたって言い方も変だが。

★女も人間も捨てた野生の嫁姑ライフにオスハイエナが現れた

2人の暮らしは極めてシンプルかつプリミティブ。
落ち武者を襲い追いはぎしては、金目のものを武器屋に売っぱらう。武器屋のオヤジはおなじみの殿山泰司。団子柄の着物にフンドシ一丁で、鎧や武具を貨幣や食い物に交換してくれる。
母子は野原に建てた掘っ立て小屋に住み、ゲットした雑穀で飯を炊いて食う。火が使えるじゃんか、おお一応文明人wと思ったら、むしゃむしゃと手づかみで立ち喰いスタイル。満腹したらムシロに寝転がり大の字で寝る。そんで夜が明けたらまた追いはぎに出かける。

ちなみに2人とも着物の下はノーブラノーパン
吉村実子は乳ばっちり見せ、乙羽信子なんか乳はおろかわき毛も股もおっ広げてイビキかいて爆睡w
すごいです。サービスシーンのはずですが女優ヌードというより獣の裸に見えるw完全に女を捨ててますw

そんなメス2匹の掘っ立て小屋に、ある晩アフロヘアの男・ハチ(佐藤慶)がやって来た。
どうも彼は同じ村出身の顔見知りで、母子はハチを歓迎してひさしぶりに人間らしい会話wを交わす。
という事で佐藤慶が南北朝の政治情勢と太平記な戦の様子をわっかりやすく解説してくれる。南朝と北朝はここんとこ泥沼の死力戦の真っ最中。兵士がバタバタ死んで戦力が足りず、ハチと村の男達も数年前に偉いお侍様に召し上げられた。最前線に突っ込まれてた村人の大半は戦死しちゃったが、その中に乙羽信子の息子もいたそうだ。ハチは運よく生き残り脱走してきたらしい。

ハチの話でようやく母子ハイエナの立ち位置が判明する。
乙羽信子の戦死した息子は吉村実子の旦那。つまり嫁姑でした。
男手を奪われ村を破壊され、食う手段が無くしょうがないので女同志で追いはぎ稼業に手を染めたんだ。

翌朝、嫁ハイエナは川へ洗濯に行く。随分野生式な洗濯方法だけど、一応洗いはするらしいw
するとハチがついて来て、色目使いでちょっかいかけてくる。大股開いてこん棒で布をブチ叩くような野生児でもメスの匂いを感じるらしい。
実子が適当にあしらってると、そこへ武士が2人現れて、川の中で溺れながら戦い始める。

獲物さん発見!しかもダブルで!
ハイエナの眼がキラーンと輝き追いはぎスタート。嫁姑はハチと協力して武士をさっくり殺害し、金品を剥ぎ取って死体は川へさよならー。武器屋に持ってってアワ3袋と交換する(武器屋、なかなかしぶちんですな)。
ついでに川で魚を釣り野生の鳥もゲットして、3人は豪華ディナーを楽しむ。ゴザにあぐらかいて串刺しグリルの鳥を食いちぎり、酒はどんぶりでガブ飲みしてすっかりいい気分。
しかし乙羽信子の野生っぷりが半端ない。だってわき毛と半乳出して刀振り回してるんだよw歌舞伎の隈取りみたいな鬼姑メイクのおかげもあって、マサイの戦士のごとく精悍だw

最初は嫁姑とハチは協力して上手くいくかに見えた。
でも「息子(旦那)が死んでハチが来た」現実は、やっぱりメス2匹の本能を狂わせちゃうんである。

★だって何年も日照りだったもんですから

ハチは性欲をたぎらせてしつこく嫁を追っかけ回し、嫁もとうとう誘いに応じて夜這いに行ってしまう。
なんとそこら辺に転がってるデカい石をハチの掘っ立て小屋の入口に投げ入れてハチを叩き起こし(どんだけ野蛮な目覚まし方法だよ!)、目覚めたハチも速攻で押し倒し、乳わしづかみな獣モードで激しくおやりになる。

その夜から男の味を再び覚えた嫁ハイエナは本能全開
姑の目を盗んで毎晩夜這いに行きやりまくる。
まあねぇ、男は戦で女は追いはぎで生きるだけに精一杯で、何年も日照りだったもんですから…。それに旦那も死んだし、再婚しても全然問題無いけどねえ…

でも野生児が女に戻ったのを、共に寝起きする乙羽信子姑が気付かない訳が無い。
ある晩夜這いに行く嫁の後をつけた姑が、ハチの掘っ立て小屋を覗いたところ、オスとメスの獣のまぐわいを見てしまった。

「性をありのままに描くリアリズム社会派」新藤兼人監督作品ですから、長年日照りだった姑のリビドーも全開になる訳で、興奮した姑は自分の乳を自分でわしづかみ揉みしだき、なんと木の幹にすがりつき腰をナントカさせてお独りでなさるんである。
ひいいいい!

翌日姑はハチに「嫁をお前に取られたら、婆のワシは1人じゃ追いはぎで暮らしていけぬ」と直談判。
さらにとんでもねえ提案をする。
「嫁と寝るな。女を抱きたいならワシと寝てみんか」

なにをぬかすかババア!だが、さらに姑はカニ柄着物を太股までたくし上げ、ミニスカ仕様にしーの絶対領域見せーの状態で、「ワシは外は古くても中身はふっふふ」とアピール。
こえーよ!!
どういう直球暴投アピールだよ!!
もちろんハチはババアに興味はねーよと断り、嫁と夜這いプレイを続行する。

★わんこ丸かぶりしながら「地獄に堕ちるぞ」と説くババア

ハチにふられた姑は、今度は嫁が自ら不倫をやめるよう仕向ける作戦を打つ。
毎日毎晩傍にぴったりくっついて夜這いの隙を与えず、晩飯時には「昨日息子が帰って来る夢を見た」だの「みだらな事をすると地獄に堕ちるぞ、と京の都の偉い坊さんが言っていた」だの罪悪感をかきたてる話をして嫁を脅かす。
でもさぁ、「地獄に堕ちるぞ」と言ってる時の晩飯メニューは「生け捕りしてケツから串刺しにして丸焼きにした野犬」なんだが。
こんがり焼けたグリルドわんこを食いちぎりながら話してるアンタらの方がよっぽど地獄絵図だろw

怖い話を聞かされてさすがに地獄は怖いのか嫁も一応怯えはするが、それでもたぎった性欲には勝てませんから嫁は夜這いに行っちゃいます。
で、ババアが追跡してると、途中で鬼のお面を被ったホラー武者(宇野重吉)とバッタリ遭遇。ババアは剣で脅されて、鬼武者をすすき野原の出口まで案内させられる羽目になる。
しかしこいつが「自分は世にも類まれなイケメンで、美貌を傷つけられたくないからお面を被っているのだ」とベラベラ自慢こくもんだから、ババアも「そんな美しいもの見た事ねえから拝んでみてえ」と頼んでみるが、何故か出し渋られるw

…と、そこへいきなり落とし穴がw
ババアは知ってたから飛び越えたが、鬼武者見事に落ちるw

後はもちろん追いはぎタイム。ババアが穴の底に降り、骸骨ゴロゴロな地面に横たわる鬼武者のお面を剥がしてみると!
ギャー!!ただれた顔が!!
ってほどスプラッターじゃなく、ゲロゲロのスプラッターSFXメイクになれた今日じゃ意外とフツーの死顔だった。失礼ながら宇野重吉だから類まれなイケメンでもなく期待外れwやっぱり寺尾聰に似てるなあとは思いましたがw

こうして姑が鬼武者の武具を武器屋のオヤジに売りさばいてる間、嫁とハチはすすき野原をウフフアハハと、毛も見えんばかり(実際時々見えてます)のフルヌードで追っかけっこしてました
あーあーすっかりバカップルですね。

しかし次の夜、脳内エロだらけのバカ嫁が今夜もやるぜ!と鼻息荒く夜這いに行くと、なんとすすきの合間から鬼面をつけた幽霊が!
「ギャー鬼ぃぃ」と腰ぬけて家へ引き返す嫁。

それから嫁が夜這いに行こうとすると必ず幽霊が現れるので、嫁は恐怖でハチの所へ行けなくなる。
エッチできずに性欲がたまり草むらで悶々と暴れるハチ。そのおまぬけな姿を暗黒の微笑みで陰から覗く姑。もちろん幽霊の正体は鬼武者の面をつけた姑。してやったり大成功である。

★そして戦慄のホラーエンディングへ

しかし小手先の脅かしがいつまでも、若くたぎりまくる本能の前にきくはずないんである。
ある晩どーしてもエッチしたくてたまらなかった嫁が恐怖と戦いながら夜這いに行き、予想通り鬼に追いかけられて逃げ回ってると、嫁を迎えに来たハチと偶然遭遇
2人は草むらで久しぶりにやりまくる

その後、あーすっきりしたーとご満足のハチが自分の掘っ立て小屋に帰ると、見知らぬはぐれ野武士に占拠されてたw抵抗しようとしたハチは、その場でざっくり刺されて即死。

一方同じくご満足の嫁が帰ると、なんと鬼面をつけた姑が必死に謝っているではないか。
まぁこの類の昔話のお約束通り、調子に乗り過ぎた姑は、鬼面が顔から取れなくなっちゃったのだ。
事情を知って立場が逆転した嫁はここぞとばかりにクソババアを罵り、「今後あたしがハチとやりまくっても文句言わねーな?」と約束させるかわりに、姑の顔から鬼面を取ってあげようとする。

でも取れねえ。
追いはぎで鍛えた腕力で剥ごうとしても、お面はビクとも動かねえ。
そこで嫁は木槌でお面もぶん殴りまくるw相変わらずワイルドだ。
するとお面が割れて、姑の顔が見えるんだが!!

ギャー!
乙羽信子の顔面が、宇野重吉と比較にならない真性血まみれグロ全開のスプラッター!!

血まみれグロ顔に驚いて「ぎゃああー鬼!鬼!」と逃げる嫁。
「ワシは人間じゃー!」と追いかける姑。
2人はすすき野原を走り回るが、気が付けばやっぱりそこに落とし穴が!
とっさに気付いた嫁は若い反射神経で飛び越えるが、余裕の無い姑は見事に落ちる。

こうして姑は穴の骸骨ゴロゴロの一員になりましたとさ。
と林光のプリミティブなタイコBGMがドンドコドンドコ畳み掛け、恐怖テンションMAXのままジ・エンド。


★感想

うわぁぁまじこえぇぇぇ。
あらすじの途中でも書いたがホラーメイクの特撮テクニックは低いし、作りもの感が丸わかり。話は単純で顛末も見えまくり。
だけど一寸先は闇な不気味な怖さがある。映画全体がドスが突き刺さるように尖った悪気で満ちてます。
本当に『13日の金曜日』の元ネタかどうかは知りませんが、ラストの乙羽信子はジェイソン君がナタ捨てて逃げるくらい怖い。
ビョークがトラウマになったのも納得。

★怖い理由その1 アラフォー乙羽信子の切羽詰まった必死さが怖い

その不気味に尖った悪気の根源は、またまた乙羽信子でした。
新藤兼人監督作品の乙羽信子はいつも怖いけど、今回は他の映画よりスペシャルに怖い。なんか観る方が窒息しそうなくらい切羽詰まってて怖い。
もがいてんである。余力なしで精一杯振り絞るように演じてる。
関西弁で言うところの必死のパッチである。

でもなんでそんなに必死?ってのは乙羽信子の自叙伝とかで当時を知ると分かる。

トウが立ってきた39歳の美人女優。どんだけ頑張っても日に日にずんだれてハリを失うお肌やボディライン。隣にぴちぴちの胸をさらした次世代若手女優のヌードが並んでると、余計にそう感じますよね。
内縁旦那との不倫関係は10年以上出口が見えない膠着状態の停滞期。自分が奥さんから奪ったように、誰かピチピチの女優に奪われやしないか、内心不安な感じ。
自分がフル回転で資金稼がないと傾く旦那の映画プロダクション経営。それでも旦那の為に頑張って働きますけど、最近旦那から与えられる役はますます辛い役ばかり。
今回の映画のテーマは野生の王国w繁殖期の若いオスメスが一番偉い、弱肉強食の性の営みの世界。
自分の役は鬼ババア。若い娘の性と比べられてバカにされ、どの男にも相手にされず木の幹に腰をこすり、「外は古くても中身はふっふふ」とアピールせざるを得ないアラフォーババア。

これは辛いわー。アラフォー女優が直視したくない現実と嫌な方向にリンクしすぎてて心底嫌ぁー。実にきっつい、残酷だ。
それでも旦那に「脱げ」と言われたら一心でカメラに立ち向かい着物を脱ぎ、ずんだれた裸を下の毛まで丸見えにしてババアの性を言葉通り「実までさらけだす」乙羽信子。
そりゃー演技も必死のパッチになりますわ!ああ怖っ!

色々微妙ものを抱える年頃の内縁妻に、微妙部分をさらけだすような役をドンスバであてがう新藤監督のドSっぷりも怖いです。

★怖い理由その2 吉村実子・野生児からの変身が怖い

切羽詰まった乙羽信子も良いですが、嫁の吉村実子も役にぴったりはまって良かったです。
映画が野生の王国ドキュメンタリー感が強いのは、この人の野生動物なルックスによるところが大きいかも。

冒頭の嫁姑2人ハイエナ暮らしでの姿はまさに野生児。あまりに精悍なので最初男の子かと思ってました。眼光も鋭くて闇夜じゃ眼が光りそう。
それがハチが来て旦那が死んだ事がわかって、「次の旦那つかまえなきゃなー」と腹をくくった辺りから、若い女のピチピチの性がはじける姿が生々しくて怖い。姿ふるまいは野生児のままなのに、ハチがちょっかいかける度にメスのフェロモンがだだ漏れ。
なのによろめき未亡人のエロい香りなど無く、「交尾期を迎えた動物」そのもので余計に怖かったです。

★怖い理由その3 掘っ立て小屋の隅に置かれた市女笠が怖い

黒田清巳の撮影もシンプルで力強い。すすきの撮り方が神秘的に美しく、観てて飽きない。
林光の音楽は太鼓がドンドコドンドコ鳴る合間に、「シャアアアッ!」と謎のシャウトを挟む繰り返し。単純だけどカッコイイ!ちなみに「シャアアアッ!」の声は、当ブログでは変態曲者役者でおなじみの観世栄夫です。色々細かい仕事してますね。
新藤監督自身が担当してる美術も(おそらく製作費節約のため)シンプル極まりないが(なにせ建物が掘っ立て小屋オンリー)、衣装や小道具でコマコマと見どころを作ってて面白い。

なかでも興味深かったのが嫁姑が暮らす掘っ立て小屋の描写。
小屋の内部は修道女のごとき清々しく、つまり色気が無い。かつて使ってただろう生活道具は小屋の隅にどけられ、寝起きするスペースにチリやホコリはない。戦争の前はちゃんと主婦やってたんだろうなと思われる。

そんなお部屋の片隅の「使わない道具」群と一緒に、市女笠が置いてある。
きちんと鎮座まします感じは、ブランドの紙袋を「何かに使うかも」と保管するわれわれ小市民女性の貧乏性な習慣に近い。映画の中では鬼の仮装に使われてますが、日常生活では全く使う様子も無く、ただぽつんと置かれてる。
妙にきれいな笠と薄絹が、むきだしの野生と性の世界で唯一文化的生活を営んでた女性の香りを放っている。
金目になるなら真っ先に捨てれば良いのに、でも「使われないけど置いてある市女笠」がじわじわと怖い。

数年前まで2人は市女笠を被れる程度にちゃんとした暮らしして、良き妻良き母やっていた。今でも、またあの日の暮らしに戻れると思ってる、だから置いてある。
でも市女笠の前でやってる事は、死体剥ぎで得た食い物やグリルドわんこをつかみ食いなんですがねw
食い詰めればハイエナだって何だって腹括ってやる癖に、稼いでくれる旦那さえゲットすれば市女笠の女にしれっと戻れると思ってる、あー女ってこうだわ、常にこういう事考えてる生き物なんだわ、とつくづく思いました。ささやかだけど図々しいw女の本質を画面の隅で静かに主張していて、ひゅーっと心が冷えます。
ちゃんとした美人女優を起用したのも納得。元はちゃんとした良き妻良き母だった残り香が無いと、男を巡る三角関係から見える女のあがきと打算的な図々しさは生まれないですから。そんな心根を市女笠の小道具一個で表してしまえる新藤監督は、やっぱり怖い人だなーと思いました。

さて最後にちょっとした不満。
佐藤慶は相変わらず上手いが、性欲バリバリなバカ男の役はどうかなー。
表情や雰囲気に含みがありすぎて、性欲以外に色々企んでんじゃないか、とか考えてしまう。
いっそ「俺の脳内セックスばっか!!やりたいです!!」なバカチャラ男の方が、「なんでこんなつまんない男を取り合って」と状況のダメダメ感が増して良かったかも。
と書いたところで、何故か鬼龍院翔の顔が思い浮かんだ。鬼龍院さんすみません。

(了)
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