No.001『中国の植物学者の娘たち』

製作年:2006年
監督:ダイ・シージエ
脚本:ダイ・シージエ
ジャンル:東南アジアン風味のお耽美メロドラマ

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記念のレビュー一発目
中国南方の孤島にある小さな植物園で、美しい女達の禁断の愛を描いたメロドラマ映画です。

早い話がアジエンスのCMみたいな感じ。坂本龍一がBGM作ってそうな大自然の中で、艶つや黒髪のアジアン美女がからみます。
つるっつるの美肌ヌードがばっちり拝める。う~んたまらないねえ。

しかしDVDのパッケージみたいに美映像&美女のうっとり戯れを鑑賞するソフトなお耽美映画だと思ったら、意外な方向で下世話で女の嫌~な部分が見える話だったりする。
★予告編



結構ネタバレ度数が高い予告編。映像はきれいです。
しかしどこにでもある愛の形かね?そうでもないと思うが。

★あらすじ(青字はネタバレ注意

主人公は孤児院育ちの少女ミン(ミレーヌ・ジャンパノイ)。
著名な植物学者・チェン教授(リン・トンフー)の短期実習生職をゲットして、町外れの孤島にある植物園兼植物学者宅にウキウキやってくる。

だがチェン教授は予想通りに気難しい文句たれの変人だった。
ドジっ子で融通きかない性格ぽいミンと相性が悪い。
スタート早々ドジ踏んで教授にいじめられたミンは、教授の娘で仲裁役をしてくれる美しいお姉様・アン(リー・シャオラン)を慕うようになる。

アンは幼少時に母親を亡くして以来、嫁にもいかず働きにも出ず、心臓が弱い教授の世話係をして暮らす心寂しい女子。ミンを父親からかばってるうちに気持ちが通じて、友情を紡ぐようになった。
そんなある日、植物園の一角にあるあやしい温室でミンは見ちゃった。

アンお姉さまあやしいハーブ蒸し風呂で全裸の体をなぐさめ、恍惚に浸っている姿を…!

しかも蒸し風呂でうっかり恋心を抱いちゃったミンとアンは、なんと友情から女同志の秘密の仲にランクアップ
ふたりはハーブ風呂で互いのバディを磨きあい、髪を♪ティモテ~ティモテ~♪しながら求めあい(我ながらたとえが古いなー。アジエンス♪アジエンス♪でもいいんだが)、河のほとりで鳩を放って永遠の愛を誓いあい、パッと見は清らかできれいな乙女の恋愛関係を紡いでいた。

★体育会系兄ちゃん登場で実は…がばれる

ところがアンの兄(ワン・ウェイグワン)が軍隊の休暇で里帰りして、なんとミンに一目ぼれしてしまった。
兄は教授にもアンにもちっとも似てない、押忍!オラ体育会系!なブサメン。見合いでもしなきゃ嫁が来ない匂いがする。
で、実はブサメン息子の将来を案じていた教授は、息子可愛さに兄とミンのキューピッド役を買って出る。
最初は「うぇーこんなブサイクの嫁なんてやだー」と拒否したミンだが、「兄と偽装結婚して義姉妹になれば、私達は一生一緒にいられるわ」とアンの入れ知恵を受け入れて結婚する。
だがそんなムシの良い偽装結婚話が上手くいった試しなく、ミンは新婚旅行で兄からDVに遭い、泣いて植物園に出戻ってくる。
その理由は予想外だった。

初夜で非処女がバレたから。

ちなみにここまでの話でミンに過去の男関係のエピソードは一切無い。
ということは、あら、まあ…。
あなたがた…へえ…そうなんだー。

さて出戻りミンと嫁かず後家のアンは、忍ぶ恋のはずだったのに実家で堂々とラブラブモードを繰り広げる。
しかもだんだん家の主人っぽく態度が横柄になるミン。お前ただのバイト実習生じゃなかったのかよ。
教授のお説教も聞かなくなり、教授の大好きな鶏の脚の甘辛煮も作らなくなり、教授の言葉も半分無視状態になり。
要はアンの献身的なお世話の対象が、父からオンナ主人に変わったって訳だ。
教授は次第にふたりの関係に疑念を抱き、日々増長するミンに憎悪を募らせる。

ある晩教授が温室を覗いてしまい、2人の秘密の関係を見てしまう。
心臓の弱い教授はショックで心臓麻痺になりその場で即死する。

中国は同性愛がご法度で死刑制度がある国。
教授死亡事件の捜査で関係がバレたふたりは警察に逮捕されて、裁判を受けて予定通り悲劇に終わる。
しかし肉体は引き裂かれたふたりでも心はひとつ。ミンとアンは刑務所で親しかった僧侶に頼んで互いの遺灰を思い出の河に撒いてもらう。この世で一緒になれなかった美しい女達は、美しい風景の下で次の世に比翼連理の愛を貫いたのでした。


★感想

なんかものすっごく一言つっこみたくなるストーリーだが、まずうっとりするポイントから。

舞台となる植物園が素晴らしくきれい。
植物学者邸のインテリアも庭園のデザインも、アジアン風情たっぷりでおしゃれ。フランスのインテリ文化人の好きそうな東南アジアのオリエンタル趣味に仕立ててる。ELLEDECOみたいな海外のおしゃれセレブ系インテリア雑誌に、「有名女性作家、南ベトナム・緑の隠れ家」なんて見出しがついて(我ながらセンス無いな)グラビアが掲載されてそうなセンス。
この辺りの美意識にはフランス・カナダ合作映画らしいこだわりを感じます。

うめめちは庭園からあやしい温室へ抜ける小道のアプローチがお気に入り。
セレブならこんな庭ひとつは持ってみたいでも自分で手入れしたくはないw

ファッションもフランス系映画ですからちゃんとおしゃれのツボをおさえてる。
中国共産党らしいテイストも押さえつつ、ヨーロッパらしいナチュラルでボタニカルな要素も取り入れつつ。期待通りですがインテリアほどは目立たないかな。

そしてお目当てのアジアン美人チェック。
リー・シャオランがザ・アジアンビューティー!って感じで美しい。
艶めかしい腰のくびれ。毛穴も緻密そうなきめ細やかなお肌。登場するたびに♪アジエンス~のBGMが脳内で流れまくりでした。

ミレーヌ・ジャンパノイもハーフ美少女ですが、細身黒髪超美肌のアジエンス美女同士での熱い絡みを期待した派には、ゴツめで少々期待外れ…
しかし脱いだらさすがハーフだ。たわわなナイス美乳でした。

★禁断の愛に何だか気になる木

風景良し!インテリア良し!美女良し!いいとこ尽くしのお耽美純愛映画でした
と締めくくりたいところなんだが、やっぱり気になる木。

中盤以降の展開が、いやさあ…
やっぱり…ちょっと…きれいなお耽美百合映画にしちゃ、あまりな展開じゃね?

アジエンスな自然に囲まれたおきれいな映像美映画なんだから、禁断の愛っててっきり精々キス止まりの清らかな百合愛を育んでると思ってました。

実は相当がっつりやっていたのねあなたたち。
しかもブサメンで女経験少ない男子にもはっきりとその痕跡が判明するほど、ナントカ膜がどうとかなるほど激しいのね…
何のプレイをやってたんだよ、あなたたち…
なんでこんな生々しいエピソードにしたんだか。

さらに夫婦喧嘩して出戻り後のミンの変貌が、露骨に修羅場ってる訳じゃないがもにょる。
禁断の恋だったのに願い通りに叶ってハッピー!ってのは分かるけど、なんかこうさぁ。

堂々とキャッキャウフフべたべたしないでさ、もうちったあ忍ぶ恋らしく隠してくれや、とか。なんでミンがニューご主人として家に君臨しちゃうの?とか。結局相手が男だろうが女だろうが、アンは結局尽くすだけの寂しい女かよ?とか。たしかに教授は嫌な父ちゃんだけど、ハブられ方がちょっと可哀想じゃないの?まるで嫁姑バトルの敗者じゃねえか、とか。
ひとこと言いたくなるのはなぜだろう。

同性愛・異性愛に限った話じゃないが
家の支配権を握った女とは、かくも図々しくなる生き物ものなんだろうか
なんていう妙に現実にひきもどされるシコリがあって、うーん、きれいきれいになりきれず、なんだかビミョーに胸にざわわが残る映画でした。

(了)
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