No.162『ドレミファ娘の血は騒ぐ』

公開年:1985年
監督:黒沢清
脚本:黒沢清、万田邦敏
ジャンル:80年代だなあ。エロは足りないポストモダンバカエロ映画

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気持ちいい季節ですねー。
こんな日は思い切り振り切ったバカを愛でたいもんです。

って気分で初夏に必ず1回は登場する、明るいバカ映画特集。
今年のネタは遂に来ました。
『ドレミファ娘の血は騒ぐ』a.k.a.『女子大生恥ずかしゼミナール』。

『ドレミファ』の方が世間を上手いこと煙に巻けるいいネーミングだと思うけど、うめめちは元の直球バカ路線タイトルが好きだw

映画のジャンルは以前レビューした『神田川淫乱戦争』と同じ黒沢清監督製作の「ゴダール先生完コピ系ポストモダンエロ映画」。『神田川』よりエロ成分は大幅控え目です。
お目当ての恥ずかしエロシーンはすんばらしい。マイエロシーンBEST10に入れてもいい。
ヒロインの洞口依子は「80年代文化人御用達アイドル」特有のにおいはするが、それを除いても凄みと可愛さがある。
伊丹十三が大学教授役でほんとに眼福です。この人はインテリ大学教授を演じたら古今東西で日本一だと思ってる。

でもそれ以外のシーンは…

素直に言いますと
DVDチャプター再生でお目当てのシーンだけ観て、あとは停止ボタンを押してしまっても構わないくらい心の底からどうでもいい話だと思いますw
洞口依子・伊丹十三・ゴダール先生のどれかが好きならおすすめします。
あんまり好きじゃない人も、とってもヒマならまぁ一度は観てもいいかも。

★予告編は見つからなかったけど踏み絵は要るかと思いまして



映画でもきっついシーンのひとつ「大学キャンパスでミュージカル」があったので貼っときます。
未見の方は是非どうぞ。
この恥ずかし&痛々しさの波状攻撃にぎりぎり耐えれそうなら、観てもまぁなんとかなりますw

★あらすじ(青字はネタバレあり

昔なつかし全共闘の香りが残る昭和末期の某大学が舞台(ロケ地は東京学芸大)。
主人公の秋子(洞口依子)は紡木たくの少女漫画に出てきそうなルックスの田舎もん高卒女子。高校時代の元カレ・吉岡先輩(加藤賢崇)を追って上京し、大学構内を探して回っている。
ところが憧れの東京キャンパスライフは「サークルの部室の扉を開けたら乱交セックス」状態で、ゆる~く明るく性欲全開だった。

潔癖な秋子は「東京の大学生って恥知らずなんですね☆」と嫌味を言いつつ、吉岡先輩が所属するという平山教授(伊丹十三)の心理学科ゼミを訪ねる。
だけど平山教授は「恥じらい理論」なんて怪しいもんを研究してるし、ゼミ生達は難解そうでなーんの意味もねえ議論に没頭して強力扇風機ふかして隅っこで女子大生がフラメンコ踊ってるw有様で話にならない。

秋子はたまたまキャンパスで知り合いになった女子大生・エミ(麻生うさぎ)の勧めで大学寮に泊まるが、寮もテレホンセックスする学生がいるしエミも押入れで全裸オナニー始めるし全員やりたい盛りで発情してばかり
うんざりした秋子は寮を脱走して、空き地で一晩過ごす。

で、翌日も秋子は吉岡先輩を探すんだが、この時点で映画が始まって30分経過。
先輩の痕跡をたどるどころか、川辺で謎通信する学生、花売り娘&花買う男、自主製作映画撮ってる連中など、怪しいキャラが続々増えるが話がちっとも進まねえw
一体いつまで続くんだよこのゴダール先生完コピ映像&ポストモダンギャグの洪水はぁ!
どこにいるんだ吉岡!さっさと出て来い吉岡!
といい加減観てるこっちがイラッとした所で、吉岡先輩はあっさり発見される。

授業さぼってサークルの部室でエミと一発やってました

田舎じゃ素敵な先輩だったのが都会でただの軽薄エロ野郎に成り下がった(大学デビューあるあるですね)姿を見てしまい、秋子はブチギレて田舎に帰ろうと決意する。
すると吉岡先輩&エミが何を思ったか突然、大学構内(屋外)でスーパーヘッタクソな素人ミュージカル(踏み絵動画参照)をおっぱじめるw

あまりに青臭い&痛々しい精神ブラクラぶりに観てるこっちのHPがゼロになりそうなミュージカル攻撃にひたすら耐えてたら、平山教授がスーツにチャリでさわやか怪しく再登場。
秋子に『新自由心理学 知れば知るほど恥ずかしい』なる自著を渡し、ようやく話が次へ進む。

★先輩、それは事実でも言っちゃだめだろ

平山教授が提唱する「恥じらい理論」とは、人間の羞恥心について独自の心理学論であります。
中身の説明はめんどくさいので省く。まぁ元ロマンポルノですから適当にエロにこじつけたキチ理論だと思ってればOK。しかし伊丹十三が「恥ずかしさというものは一枚の布切れよりずっと強力である」と朗々と演説すると妙に説得力があるよなあw

教授は自説を証明する為に「究極の恥じらい実験」と称される心理実験をしたいと考えていて、理想の実験体を探していたんだが、そこで年頃の可愛い女子で人並みに恥の観念持ってそうな(要は股がゆるくなさそうな)秋子に目を付ける。
教授は秋子に「ゼミに来てみないか」と誘い、よくわかんないけど秋子もなんか教授にひかれて…

…と話がトントン進めば良いが、一歩進んだと思えば話はまた逆戻り。
秋子が高校時代の同級生男子とバッタリ会って口説かれるわ、その同級生の下宿に転がり込むわ、自主制作映画の8㎜フィルム映像が流れるわ、その映像で何故か秋子が演説してるわ、で延々と脱線してばかり。
だめじゃーこりゃー。

で、数十分くらいダラダラポストモダンごっこをやった後、ようやく本題の恥ずかしゼミナールに戻る。
ゼミの学生達は恥じらい理論を独自で検証してみたいと思い立ち、教授に内緒で心理実験を行う。しかし元々が恥じらいなんか大学デビューで捨てたゆるチンゆる○○メンバーだった上に、実験方法が「すっぽんぽんで実験椅子に拘束して頭に電極つけてやらしい質問やプレイする」って、まぁクソ安直なw
結果は実験するまでもなくセックス!セックス!になるばかり

ゼミの惨状を見てあきれば平山教授は教え子達を見切り、「真の恥ずかしさを理解できるのは君だけだ!」と秋子を特別研究室(という名のあやしい隠れ家)へ案内する。
さあいよいよ!と期待が高まるが、ここでなんでか一緒について来た吉岡先輩が冷水をぶっかける爆弾発言をかます。

「この子処女じゃないんで」

ひっでーwww
そりゃまあ昭和の田舎高校生といえ普通にやる事はやってるよな。
でも先輩!事実といえ学内で担当教授と元カノの居る場で言っちゃだめだろ!
数年後の社会人として!ていうか男として!
でもいかなるクレイジーなエロ理論を振りかざしても平山教授は大学教授で大人の男。「非処女じゃだめですか…」と落胆する秋子をうま~く慰め、「究極の恥ずかし実験」を強行する。

★パカーンするわスパークするわ失神するわ

特別研究室に案内されていさぎよく服を脱ぎ、教授自作のとってもあやしい実験装置に横たわる秋子。
ぴっちぴちの20歳の娘が両手に手錠を掛けられ、隠す布も何も無いフルヌード(全身ショットあり)で実験台横たわってんですよ。いやあ眼福お肌もつやっつやの美白っすねー

さあ実験開始です!
あふれ出る羞恥心をこらえて、教授の目前で「あたし無防備です何でも好きにして」ポーズを取る秋子。
教授が秋子の股をゆっくりと開く。

するとなんとっ!
これはまさかの!
新條まゆ『覇王愛人』のお股パカーン実写版!!

ええ、ほんとににお股から白い閃光が出ます。ガチでパカーンです。
ちなみにパカーンをご存じ無いかたは今すぐグーグル先生を稼働していただきたい。別のバカエロ世界が見れます。
それはともかくあの漫画だとパカーンはただただバカシーンでしかなく爆笑しかできないが、実写だと神々しすぎて神妙な面持ちで画面に拝みたくなってしまいます。リアルの力はすごいですね。

で、まばゆい光に目がくらみつつも教授は装置を稼働させて、なんと電動触手を秋子の股の間にっ!
光るお股に機械をグリグリ突っ込まれて秋子の羞恥心は究極の一歩手前!
そしたら余りの恥ずかしエロパワーで『バーバレラ』のごとく装置がスパークしてしまったw

だが装置がイカレて探究心を止める教授じゃない。自ら秋子の脚を持ち舌でなめなめプレイに移り
満を持して光るお股に顔を突っ込みバター犬プレイをせんとする!

ダメっ!それだけはイヤぁ!と両手で頭を押しのけ抵抗する秋子。でも股に電動触手突っ込まれたままなんだが…それはいいのか?
全裸で股に機械突っ込んだ20歳娘の洞口依子とバター犬プレイを巡って攻防する映画監督・俳優・エッセイストの伊丹十三。凄い画面だw
そうやってしばらく揉みあってる内に究極の恥じらい状態に達したのか、はたまた愛が芽生えたのか、最後は2人で手を取り合って失神するのだった…


さて実験シーンが終わると教授はご退場。
これまた唐突に場面が大学前の河川敷に転換し、ゼミ生達が楽しくピクニックしてる。
するといつの間にか白ワンピでヘアスタイル変えた(昭和スケバン映画でよく見るちりちりパーマである)秋子がドヤ顔で登場。ゼミ生が「大学に戻らない」と誘うが断り、「あたし田舎に帰ります」と言って煙草スパー。
いかにも処女喪失した昭和ヤンキー娘描写だなあ。非処女だけどw
お次は川べりでサバゲーごっこ。ゴダール先生の何だっけー、『カラビニエ』だか『ウィークエンド』だかな雰囲気ですがゼミ生は見えない的に撃たれて続々死亡。
最後は1人生き残った秋子が銃を手にしてねむれーねむれー♪と子守歌を歌い、やっとジ・エンド。
なんかお疲れ様でした。

★感想

私が書く映画のあらすじはいつも「映画本編よりことさら下品でくだらないじゃねーか」と身内に叱られますが、今回はこれでもあらすじの方がマイルド仕立て。本編はレベルが違いますよ。
ほんとくっだらねえーw

それを言っちゃ当ブログの3割以上の映画は同じ感想になっちゃうが、でもくっだらねえーw
世の中くっだらないバカみたいな映画は山ほどあるが、こんだけ観てる最中に冷や汗しか出ないレベルでくっだらない映画も珍しいw

不気味に軽薄で明るく不条理で「スベる」をいとわない素人ドヘタコント芝居。
「めっちゃ頭使ってわざとテキトーにハズしてる」としか言えない脚本。
ほぼすべてのシーンがゴダール先生&ヌーヴェルヴァーグ映画のなんのひねりも無い焼き直し。
よくわかんないけど映画全体がスキゾ・キッズっていうんですか?まっとうな映画の何やかやから逃げてばかり。
って調子の、正々堂々と80年代映研の香り高いポストモダン真っ盛りなバカ映画であります。

「バブル時代のポストモダン映画なんてみんな軽薄で寒くてくだらないだけだろ」とうそぶくご高尚な映画芸術愛好家の皆様。
どうだ、しかと見るがいい!真の昭和末期ポストモダン映画の破壊力を!
「軽薄で寒くてくだらない」も程度を超えると狂気だぞ!

とわたくしは世の中に伝えたい。

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という事でワケワカメ1本ご進呈。
ちなみに私はワカメは好きだが昆布は嫌いだ。どーでもいいですが。

★伊丹十三の演じる大学教授は箱入り息子

とくだらないと盛大につぶやきつつ、ダンディな伊丹十三と洞口依子の光るパカーン見たさについリピートする訳です。
そんな自分がさすがに嫌だと時々思うw

さて伊丹十三ですが、この人が演じるインテリ大学教授役は他の俳優にない絶品な空気感がありますが、その割に大学キャンパスで教授を演じてる作品は少ない。
うーん実にもったいない。もっと観たかったなーといつも思う。

(続きを更新中・・・)
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