No.018『黒薔薇昇天』

製作年:1975年
原作:藤本義一『浪速色事師』
監督:神代辰巳
脚本:神代辰巳
ジャンル:愛と笑いのなにわロマンポルノ業界映画
注記:R-18指定ポルノ映画

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明けまして2013年。
年初めくらい映画で明るく笑っていい気持ちになりたいですね。
って訳で明るく笑っていい気持ちになれるステキぃなポルノ映画『黒薔薇昇天』。

岸田森主演のにっかつロマンポルノ映画って時点でもう笑えます。
あの『怪奇大作戦』の牧史郎ががっつり本番。惜しみなくオールヌードで尻を見せ!乳を揉み腰を振りあえぐのだ!
たまらないではないか
全国の岸田森マニアならずとも絶賛おすすめ。
★あらすじ(青字はネタバレあり

主人公は大阪のポルノ映画監督・十三(岸田森)。
今日も撮影担当のやっさん(高橋明)や照明担当の石やん(庄司三郎)と、和歌山の港町で新作ポルノ映画の本番シーンを撮影中。

しかし主演女優メイ子(芹明香)の調子は下り坂。
理由を聞けばなんと「子供が出来た」と堂々のたまう。相手は男優兼ヒモの一ちゃん(谷本一)。
メイ子は産む気満々で、「胎教に悪いから女優やめたい」とまで言う始末。
このまま女優降板になれば映画はお蔵入りで大赤字。さあ困ったどないしょう!
とりあえずメイ子に「本番女優やめるな」と説得するが、彼女頑として首を縦に振らない。見た目はすっぱだけど生まれる子を思う母として、一本筋が通った芯が強いナニワ女の決断は止めれないのだ。

★エロエロ美女をゆすって語ってヤッてオトす

じゃ、代わりの女優を探さなきゃあかんな!って時に運よく、十三は謎の和服美女にフォーリンラブ。
女は幾代(谷ナオミ)。関西財界大物のお妾だ。
しかも行きつけの歯医者で仕事用のエロ音源探しをしてた時、偶然幾代と歯医者の不倫会話が撮れてしまってた!
それをきっかけにして十三は幾代をゆすり、泣き落とし、熱い芸術論を語り、あの手この手で口説き落とす。

ポルノ映画なんて無理やし、でも断ったら不倫をちくられるし…と悩んだ幾代は公園で発作的に首を吊ろうしたが、追いかけてきた十三に命を助けられ、なんかグッと心惹かれるものがあったんだろう。
たった3万円で不倫テープを買い取った直後に「実は映像も撮ったんや」とゆすりをかけられて、幾代は証拠映像見たさにウカウカとアパートに行く。

ここまできたら後はポルノのターン!
証拠映像と間違えたふりしてスウェーデン物の無修正ポルノを見せてムードまんまん。女がむらっときたのを見逃さず、十三は口説いて押し倒してがっつりやる。
すると待ってましたあ!とばかりに飛び出す撮影班軍団w
十三は幾代の乳を揉み、腰を振り、撮影班に指示を出し、「ええで!ええでー!」としゃべり倒しながら無事撮影を終える。

そして終了後は、幾代が「なんでだましたのよ!」と怒り出し、お決まりのアフターけんか発生。
まぁ傍目から聞いてりゃ幾代の言い分がまったく正しいんだがw確かにだましたんだし脅したんだしwしかし十三は突然逆切れしてお説教かます作戦に出る。
そしたら幾代は心にガーンとくるものがあり、「今までこんなの言われた事なかった…」とウルウルして感動しだす。
「ほんま、かわいい女やな…
2人は本気になり勢いでゴールイン。

晴れて主演女優兼嫁はんをゲットした十三は、再び和歌山の港町で新作の映画撮影をスタートする。
しかし今度はいささか事情が複雑なようで。

幾代と一ちゃんの本番シーンを監視しながら「いかんといてや」と妊婦メイ子が横でささやく。
お仕事ですから本番はしぶしぶ許せても、中で出されるのは嫌なんや。ああ複雑な女心。

だが十三はさすが監督!「芸術作るのに嫉妬もあるか!」と冷静に撮影を進める。
…だが、なんか知らんうちに指示の声が「いったらあかん!いったらあかん!」に変わっていき、本番クライマックスでとうとう撮影を止めてしまうw
撮影をフイにされて怒るやっさんに「いや~ワイもまだまだ修行が足らんわ」と照れる十三だった。
ってオチがついたところでハッピーエンド。


★感想

まず岸田森の見た目でひと笑い。
頭の天辺が薄いおかっぱパーマだ。
頭はトップシークレットじゃなかったのかw

相変わらず面妖なテンションであやしい関西弁をまくしたてて、本番女優に激を飛ばす。
メイ子から子供ができたと告白されりゃ、「そらファックすれば子供もできるわ」と真顔でひとり納得する岸田森がおかしいw

★懐かし昭和のポルノ製作事情が面白い

撮影はいかにも低予算だけど、昭和の零細ポルノ業界の製作風景がのどかで興味深かった。
天王寺動物園のチンパンジーの檻の前でポルノ監督が動物園で何やってんのかというと、副業のエロテープ制作の音源を撮るため。チンパンジーやアシカの鳴き声、ネコがミルクを舐める音なんかを録音し、街角で盗み撮りした他人の会話とサンプリングしてエロい情事シーンの出来上がり。それを同業者に売って映画の資金作りにするらしい。へー。

大阪ディープサウス通天閣近くのボロアパートでエロテープ作りに精を出す撮影班の傍らで、大島渚や今村昌平を引き合いに出して、芸術論を滔々と語る十三の姿も笑える。神代監督撮影班もこんな感じだったんろうなー。
「ワイらの映画はヤクザの資金稼ぎやない。芸術なんや」と自負してるんだが、手はちゃっかりメイ子の尻を撫でているw
横で監督の話を聞き流しながら黙々とエロテープ作り作業に没頭する石やんの姿も地味に笑える。

★岸田森がやって!滑って!語りまくって!

そしてメインのエロシーンの笑えるっぷりって何?
濡れて悶える谷ナオミ!なのに笑いが止まらない。
だって岸田森がヤリながら実況してくれるからwww

しかもヤッてる最中に背後の背後の洋服タンスの扉がバーン!と開き、やっさん・石やん撮影隊が華麗に登場して本番撮影突入シーンも、定番ながら抜群のタイミングで笑えるしw
イヤッ!ダメッ!でもカラダが言うこと聞かないの!状態のエロエロナオミを相手に、本番男優兼監督の岸田森がもう怪しさ全開でイケイケ絶好調!
「ワイは今芸術を作っとるんや!」
「ええでー!ええでー!」
「この顔を撮ってや、この顔!」
うるせーwww

しかもトドメを刺すのは本番シーンじゃない。
本番後の結婚シーンだ。

2人の心が通じ合った途端、♪パパパパーン♪と高らかに鳴る結婚式マーチ。
頭にウェディングベールを被り足はローラースケートを履いた全裸の花嫁谷ナオミと、おなじく全裸ローラースケートの花ムコ岸田森が、立ちバックでアパートの廊下を滑走するのだ!

すげー。
これはすげーよ。
いやー笑った。面白かった。

クールでファナティックな岸田さんも良いが、こちらのエロバカ岸田さんも実に滋味深い。
18禁ポルノに抵抗が無ければ怪優フェチにはマストでチャレンジしていただきたい逸品であります。

大阪の風景は外のロケが多くて、当時の大阪繁華街の粋な雰囲気が楽しめます。
ゆすりの密会な癖に心斎橋で待ち合わせ。今は亡き陸橋の方ってのが心にくい。
込み入った話をする時がこれまたレトロ満点、松坂屋百貨店屋上遊園地の丸ゴンドラ。
なんば高島屋前のタクシー乗り場で逃げる逃げないの追いかけっこ。それを見ていたタクシーの運ちゃんが、「結構な鬼ごっこでんな」と大阪らしい気の効く一言。
昭和のムードたっぷりなロケ地に軽妙な芝居、歌謡曲に大正琴!とベタな昭和オンパレードのBGM。
隅々まで気が配られてて心地よいです。

★とっても気になる昭和女優の20代って何事の木

あともひとつスゲエと思ったこと。
『黒薔薇昇天』の撮影当時谷ナオミは27歳だった。

…え?ってことはつまり『花と蛇』の谷ナオミって弱冠26歳…!!!
2013年時点で比較すると長澤まさみと同じ年!?
エーーーッ!!!うそお!

大卒社員なら「初々しい女の子」と呼ばれてもおかしくない年齢で、堂々たる熟れっ熟れのド色気である。
ナイスバディのスペック比較をすりゃあ、今どきの長澤まさみも凄いし壇蜜とかも凄いっちゃ凄いが、谷ナオミには壇蜜さえコドモに見える迫力のエロスオーラがある。
いやーすごいわ。あらためて昭和女優の凄味を体感いたしました。

(了)
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