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No.027『白い馬』

製作年:1953年
監督:アルベール・ラモリス
脚本:アルベール・ラモリス
ジャンル:ファンタジー短編映画

027.jpg

昭和濃い味映画が続くと胃がもたれるので、たまにドリーミーな短編映画を観てみる。
短編映画の詩人とうたわれるフランス人監督、アルベール・ラモリスの作品。
南フランスの大自然と白い馬と美少年ですよ。エビアンみたいな爽やかさじゃないですか。なんだかまぶしいわ。

映画の舞台は「カマルグ湿原」というマルセイユの近くにある湿地帯。
想像以上にスケールがでかい。「へぇーフランスにこんな所あったんだー!」と素直にびっくり。
どこまでも広がる空と地平線が見える広大な沼を野生馬の群れがドドッドドッと疾走する姿は、ブラジルのパンタナールとかのノリに近く、わずか30分の白黒の短編映画ながら西部劇映画を観るノリになれます。
子どもと動物のほのぼのファンタジー嫌いな人にもおすすめ。
★予告編



『赤い風船』と混じってます。日本版予告。
いいなあ海辺を走る馬って。

★あらすじ(青字はネタバレあり

カマルグ湿原の野生馬群に、「白いたてがみ」と呼ばれる強く美しい白馬がいた。
地元の牧童達は捕獲を試みるがいつも逃げられる。柵に閉じ込めても柵を蹴破って逃げる怪力だ。
人間に決して従うまいと誓う闘士のごとく、白いたてがみは湿原を自由に走っていた。

湿原のほとりに住む貧しい漁師の少年、ファルコ(アラン・エムリー)もまた白馬を捕まえようと夢見ては牧童たちに笑われていた。
ある日ファルコは沼で白いたてがみを発見。魚を捕る網を引っ掛けてみたが馬が暴走し、ファルコはすごい勢いでどこまでも引きずられる。
それでも網を離さない少年の熱意に「ふっ、おまえ中々やるな…」と馬が根負け。
なんかジャンプのマンガみたいな展開になる。

白いたてがみはファルコ少年とおじいさんと弟(パスカル・ラモリス)と犬やペリカンがいるおとぎ話みたいな小さな家に身を寄せた。
馬は気位が高く、少年みたいな素人をそう簡単に背中に乗せてくれなかったが、ファルコの純粋な愛情に心を寄せていった。

だが白いたてがみをあきらめない牧童達は、野生馬の仲間を次々捕えるウマ質作戦を決行。
リーダーは仲間の為に渋々牧童に捕まる。家臣を救うため敵の軍門に降りる武将のようだ。

だが白いたてがみが捕われて不在の間、群れに新しいリーダーが出来ていた。
新旧リーダーは真のボスを巡って白馬同士でド迫力喧嘩を演じるが、白いたてがみが負けて群れを追い出される。
怪我した白いたてがみを看病するファルコに悪い牧童たちの追手が伸びる。

葦の野原を逃げ回る白いたてがみだが、牧童が葦に火を放ち、周りの草むらが火に包まれる。
絶体絶命のピーンチ!
って時に白いたてがみはファルコと落ち合い、馬は少年を背中に乗せて炎の草むらを走りぬける。でも牧童達も負けずに追跡し、少年と白馬はとうとうどん詰まりまで追い詰められる。
背後は地中海。
今度こそ本気で絶体絶命のピンチ!

そこで少年と白馬はなんと、海を泳いでしまった。

驚きの事態に慌てた牧童達は「馬はおまえにやるから戻ってこい!」と叫ぶが、白いたてがみはファルコを乗せて荒波をどこまでも泳いでいきました。
こうして白馬と少年は波間に姿を消し、馬と人間が自然に暮らせる理想郷へと旅立ったのでありました。


考えれば悲劇エンドなんだが「スーホの白い馬」のような涙涙の悲劇でなく、ファンタジーらしく綺麗に締めてくれて良かった。

★感想

きれいな少年ときれいな馬ときれいな自然のストレートに爽やかな映画。

見どころはやっぱり、顔はあどけないがガッツのある美少年、アラン・エムリー君12歳。
可愛いですなぁ。エログロ映画に馴れた大人の汚れた心も現れる。
可愛い中にも表情に野性味があって、年の割にいい体してるのもポイント高い。

馬たちの疾走シーンも迫力があってきれい。
爽やかでもプライド高さや艶めかしささえ感じる白いたてがみの仕草も見物です。
こーんな可愛い美少年とイケメンな白い馬なら甘いほのぼのファンタジーになるのかな?と今の我々なら思うが、昔の映画は甘くない。
メインの「白馬に乗った少年」のシーンが予想外にハードだった。

まず12歳の少年が、鞍無し裸足で馬にまたがって馬を全力疾走させるって。
バッチリ顔映ってるしCGも無い時代だ。結構凄くない?ガッツあるってレベルじゃないよ。
しかもCGでもプールでも無く、荒波ざっぱーん状態で白馬が少年乗せて泳いでます。
ありえへん。何者なんだアラン君。

多少スタントや馬の模型を使ってるだろうが、少年と馬のアクションが凄いのに間違いない。
ラモリス監督作品には毎回、「えっ?どうなってんのこれ?」と驚く仕掛けがあって面白いです。

★気になる俳優、アラン・エムリー君のその後

さて美少年といえば気になるのが美形の末路。
特に外国美少年は劇的に変わるから要注意だ。カルキン君やTM2のフォーロング君のように人気子役から転落していった例もありますし。

『白い馬』はカンヌ映画祭のパルムドールを受賞し、アラン・エムリー君も脚光を浴びたそうですが、その後は渋い脇役としてフランスの映画やテレビドラマで活躍されたそうだ。
近影は含蓄あふれる渋ーい顔をなさっており、かつての美少年の面影はどこにも無かった。
美少年よ永遠に!派には残念な結果だろうが、ガッツある美少年から含蓄ある渋爺さんって男役者として理想の進化じゃないですか。それもまた良し。

(了)
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