No.048 『少女娼婦けものみち』

製作年:1980年
監督:神代辰巳
脚本:岸田理生、神代辰巳
ジャンル:女子高生の青春ロマンポルノ
注記:R-18指定ポルノ映画

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話題の安藤美姫出産騒動にあやかって?若い女子のシングルマザーものを選んでみた。

神代辰巳作品シリーズのDVDパッケージは昭和の性愛の香りがして萌えますね。
特にこれのパッケージはお気に入り。
濡れた白ワンピと紫蘭の花が何ともエロス。

このタイトルとパッケージとくれば、さぞかし超ヤリマンな女子高生が援交でやりまくる展開か!と思えるが、岸田理生脚本だからそうでもない。

男の数は控えめだが、じとじと淫靡な情欲と愛憎関係、キチなポエジーが半端ない。
昭和の芸術系ロマンポルノらしい秀作です。
★あらすじ(青字はネタバレあり

主人公サキ(吉村彩子)はやりたい盛りの女子高生。
でも同級生の外男(夢双紋)という彼氏はいるが未体験。
セーラー服で学校の帰りに納屋でエロ本を読み、床に転がってオナニーに耽る場面から映画が始まる。

しばらくするとカモメが舞う冬の浜辺で、サキと外男は念願の初エッチを果たす。
いくら冬の海は寂しいからって子供も遊んでる海岸で、浜辺にぽつんと建つ無人の掘っ立て小屋(もちろん鍵などは無い)で、逆立ちした股に顔を埋められて一発やる。
初エッチの味はあんまり良くなかった。
痛いだけだった。

★オラオラセックスに溺れて絶叫腰振り

処女喪失と同じ頃、サキが国道沿いをチャリに乗ってると、顔見知りのトラック運転手・アタル(内田裕也)に出会う。
アタルはこの辺りじゃ悪評高いヤリチン野郎だが、同級生はテクも性格も子供過ぎて不満なサキには魅力的な男。アタルの方も色気づく年頃の小娘サキを狙ってたし、需要と供給がかみ合ったところで2人は速攻やる。
アタルは着衣にシャワーぶっかけプレイをいきなりかます、予想通りのオラオラ系。
でも上手い。

ところが、彼氏と遊び人の時間差二発で妊娠しちゃったサキ。
どっちの子供かわかんないどうしよう。


アタルは「産めよ」と言うけど本音はわからない。
何故ならアタルには同棲中の恋人・遊子(水島美奈子)がいたからだ。
遊子に首を絞められ堕ろせやコラと脅されて、年上女ライバルの出現に対抗意識が目覚めたか、サキはますますアタルとのエッチにのめりこむ。
妊娠初期なのに激しく突かれて腰振って「もっと激しくしてー!」と絶叫する女子高生って。
情念むきだしだ。

一方で外男はクラスメイトからカンパを貰い「堕ろしてくれ」とお願いに来る。
まぁ高校生同士が産んで育てる負担を考えたら堕胎も妥当な判断だとは思うが、「産めよ」と言ってくれるアタルに比べりゃ頼りがいなく見えてしまう。

★人生って割合バカみたい

それでもサキと外男はデートで浜辺に穴掘ってやろうとするが、「お腹の子のパパはアタル…?」と頭に浮かんだせいで、外男ったら勃たなくなっちゃったw
そんな情けない彼氏のムスコにあきれて、サキは唐突に謎のクイズを連発する。
いきなり意味不明なクイズを振られてあわあわしてる外男の様子を見て

「人生って割合バカみたいね」

一言つぶやきビンタをかますサキ。
うわぁ痛い。

妊娠中で情欲のリミットがきかないサキは、母親(珠留美)と暮らした家を出てアタルと同棲を始め、とにかくセックスに溺れまくる。
朝から一緒にトラックに乗って漁港へ行き、魚の水揚げを待つ間に荷台でやりまくる。
冬の朝だぞ!寒くないのか。若いねえ。

しかし追い出された遊子も黙っちゃいねえので、己の肉体で愛人の座奪還に打って出る。
ある日サキが帰るとアタルと遊子がやっていた。

サキは逆上して出刃包丁でアタルをグッサリ刺してしまう。
幸い致命傷じゃなかったが、アタルは激怒し(そりゃ怒るのも当然だが)、「産めよ」と言った寛容さはどこへやら、「セックスで堕ろしてやるこの野郎!」と凄い理屈でいつもより激しく乱暴なセックスに突入。

そんなところへ外男がノコノコ乱入して、お待ちかねの修羅場タイムを迎える。
外男は砂浜クイズ大会で心変わりしたのか「誰の子でもいい。産んで2人で育てよう」とトンチンカンに言い出したので、またもめる。
3人で口論になった挙句、自分の一大決心を冷たくあしらわれてキレた外男は「死んでやる」と口走る。
すると冷めた目で「死ねば」とサキが追い打ちの一言。キビシー。

外男は自暴自棄になり海に飛び込むが、アタルは冬の荒波をかき分けて外男を救助する。
かっこいいじゃん!と一瞬惚れかけたが内田裕也はやはり内田裕也だった。
海水を飲んで苦しむ少年の目の前で、サキを押し倒し犯すのだった。

その後月日が経ち、この手の妊娠ものにありがちな結末を迎える。
結局サキはアタルとも外男とも結ばれず、シングルマザーで産んで育てる決心を固め、母とふたりで屋台をはじめる。
海辺町の屋台車のショットを写して映画は終わる。


★感想

オンナなのか、少女なのか。
冷めてるのか、熱くたぎってるのか。
厨二病女子の痛々しく揺れる心のあやを、岸田理生脚本が上手く掬い取っています。
特に妊娠して情緒不安定になる女子高生と、性にだらしない母親(珠留美)とのウェットな母子関係の描写が心ひかれた。

母親は屋台で行商やってるシングルマザー。男を替える度に屋台も変える癖がある。
年頃の娘がいる年齢でも情欲衰えず、昼間から愛人の男とやっている。
うわーだらしねえと辟易するけど描写が良い。
中でもクライマックス近くの母娘シーンがインパクト強い。母は屋台で女子高生の娘に堂々と酒を飲まし、娘は酔って「母さんきれいー」とじゃれて浜辺で母を押し倒し乳を吸う。子供がえりプレイかよ。
冬のどす黒い海にどろりと流れる母娘の絆。
どうしようもなく痛くて、濃い。たまらない。

★どうしようもないが魅力的な女子高生と大人の男

さて役者チェック。
よその映画感想でも言われてると思うが、吉村彩子の生々しい実在感が目を射る。
このひとは他のポルノ映画で観るような「女優の女子高生コスプレ」感が無くて、新鮮でいい。

10代女子が抱える自分自身への苛立ち、焦り、痛々しさ、が身体からほとばしってる。
それに同級生の外男を「こいつ幼いな」と見る眼の冷め加減が絶品だ。
当時何歳だったんだろう。ロマンポルノだから18歳以下じゃないと思うが。

吉村彩子の痛々しい女子高生感と対比する、内田裕也が発する凄味な大人感もまた良かった。
クズでだらしないチンピラだが、高校生への懐深いあしらいは確かに大人で男だ。時折かっこいいとさえ思う。
うーん内田裕也が大人でかっこいいと思えるとは予想外というかw他の映画じゃ全然良いと思った事無いけど。

★なんだか気になる謎のサービス映像

さて今回の木になる木。
昭和リアリティなロマンポルノ映画の本編と何の関係もなく、意図のわからないサービスショットがある。
ダンスとか。
浜辺で座禅とか。
アイドル風でもなく、エロスでもなく。俺の萌えシチュだ!って熱入った感じでもなく、何故か時折挟まれている。
何の意味があったんだろう。座禅とかで吉村彩子のどのあたりをサービスする積もりだったんだろう。謎だ。

(了)
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