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No.052『アルファヴィル』

製作年:1965年
監督:ジャン=リュック・ゴダール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
ジャンル:難解お芸術なSFスパイ映画

052.jpg

「お前のブログは最近ますます文章がお下品」
と知り合いに苦言を呈されました。
えーえーすみませんねお下品で。

確かに『舐めてもらったお礼に舐める感覚』とか
『朝からゴム無しでパコパコやっている』とか
『超ヤリマンな女子高生が援交でがっつりやりまくる』とか書いてるからな。
女子がブログにしたためる文章じゃないね。

とはいえエロ系飛ばしすぎたんで、たまにはちょっと高尚な映画のレビューを、お下品方面の言葉を省いて文章書こうとしてるんだが
………。
………。
言葉が出ねえ。
しょうがねえな。
どんな名作でもおバカお下品にレビューしてやるさあ!

今回はおフランス製SF映画。
しかもなにせジャン=リュック・ゴダールである。

本場ヌーヴェルヴァーグといえばゴダール!
難解芸術映画といえばゴダール!
ですし。

うーん、見るからに小難しさ満載そう。
『E=mc²』って数式が頻繁に出てくるし。相対性理論だっけ。
さすがに『バーバレラ』よりインテリ臭いわぁ。
話の中身あんまり変わらないけどさぁ。
★予告編



シンプルできれいな予告。
踏み絵にどうぞ。

★はじめにディストピアSF映画のお約束とは

「ディストピア(反ユートピア)」って言葉だけで小難しくインテリ臭い映画のように思えるが、
主人公は「悪の組織によって悪く改造された未来社会(たいてい超管理社会か『北斗の拳』風世紀末乱世だ)」に疑問を抱き、(今の時代的に)正しい知恵を使い悪の源を正して脱出する
ってわかりやすーい勧善懲悪フォーマットがあり、ゴダールといえどその辺はきちんと踏襲している。

★あらすじ(青字はネタバレあり

舞台は意外にも1980年代の宇宙社会。
えっ、昭和レトロなのに宇宙?と違和感あるが、1965年製作時は「20年後の近未来」感覚だったんだろう。

ど渋いルックスの中年スパイ、レミー・コーション(エディ・コンスタンティーヌ)は当局の指令を受け、「新聞記者イワン・ジョンソン」なる男に化けて宇宙空間にある星雲都市「アルファヴィル」に潜入する。

着いた所はうらびれた地方都市。
「地球外都市に潜入」より「長野へ出張で来ました」って説明が似合う風情の、SFにしちゃ相当地味な絵面だ。
遠隔通信予約(ネット予約か?)したホテルへ行くと、客室係のおねーちゃんが来て部屋に案内される。
しかし部屋に通された後も出て行かないおねーちゃん。おおっと!「お風呂にしますぅ?」って服脱ぎ始めるじゃないか。
ソープ嬢つきホテルかよ!豪勢だな。
じゃなくて「女なら自分で呼ぶ」とクールにかわすレミーだが、すると次は風呂場から刺客が出てきてガンでお出迎え!
なんつうホテルだ。サービス盛り過ぎだろ。

★誘惑婦とお世話係は違うらしい職業階級制度

謎のシステムで統制された階級社会都市アルファヴィル。住民は皆職業と階級がつけられ階級に応じた仕事をする。
さっきのホテルのおねーちゃんは「第3級誘惑婦」。おおう誘惑婦っ!エロい響きだ。
第3級でコレなら第1級はどんなサービスだ!檀蜜レベルかっ?いきなりM字開脚とかしてくれる?と色めくがゴダールだからこっち方面は進展しない。
誘惑婦と交代で登場するのが当局が用意したお世話係、第2級プログラマーのナターシャ(アンナ・カリーナ)だ。

あからさまなお嬢ファッションに身を包む彼女は、地球から誘拐されアルファヴィルへ連れてこられて管理統制システム「α60」を開発した天才教授、フォン・ブラウン(ハワード・ヴェルノン)の娘だった。
そしてレミーの任務はフォン・ブラウン教授親子を地球へ奪還させることと、同じ任務で潜入したが行方不明になってるエージェント仲間のアンリ(エイキム・タミロフ)を探し出すことなのだ。

★おもてなしは謎の挨拶と心理テストとハトヤショー

映画前半はレミーがトミー・リー・ジョーンズの宇宙人よろしく「この惑星の素晴らしき世界」に面喰う。
街の至る所で見る『E=mc²』『α60』のネオン看板。「元気です。ありがとう。どうぞ」と変な挨拶をして泣きも笑いもせず鎮静剤を常時飲んでる街の人々。いつでもどこでも襲ってくる謎の刺客たち。意味深に哲学的な言葉の応酬、抽象絵画やオブジェ。
うーむわけわかめな所でタイミング良くアンリが登場、謎をあっさり説明してくれる。
初期ゴダールさんは脚本が割と親切設計だわ。

いわく「人々はα60に思考感情を統制されており、システムにそぐわない非論理的な行動をする者は拷問されて殺される」そうなのだ。
道理で自由な感情を持つレミーが刺客に狙われる訳だ。
レミーはシステムに拷問されて廃人寸前のアンリから「α60を破壊しろ。涙を流す者を救え」と頼まれ、諸悪の根源の都市中枢へ潜入する。

そこで遭遇したのがあやしいシンクロショー♪
プールサイドで水着嬢がくるくる。ハトヤのショーか?
と思ったら死刑囚が連行されて登場。
罪状は「嫁が死んで泣いたから」。そりゃねーよ!だが情状酌量の余地なく銃でパーンと撃たれる。
プールに落ちた囚人に一斉にトドメを刺すシンクロ嬢。
ハトヤどころか恐怖の死刑執行ショーでした♪

そんな悪趣味演出を特等席で眺める冷酷な男がひとり。
出ました、悪の天才科学者フォン・ブラウン教授ご本人です。
レミーは教授に接近を試みるが寸前で当局に捕まり、α60のスパコン中枢部とご対面する。

レミーはマイクがくるくる回ってる取調室へ連行され、ダースベイダーみたいな人工ボイスの電子頭脳(ゴダール監督自身の声を加工したそうです)にやたら抽象的な心理テストを尋問される。
訳わかんないままにいちいち答えるレミー。
さてα60様の解析結果は。

「お前は何かを隠してるがよくわかんない」
っつう事で釈放される。

………。
スパコン、しょぼっ!!
いや京どころかappleもwindowsも無かった時代だと重々承知してますが、こんな解析結果出すブツが街の人心をコントロールしていいんかい?と不安になるくらいお粗末なレベルのデキなんだが。

★スパコンの代わりに必要なもの、それは愛

こんなポンコツ電子頭脳に支配されるが故に、アルファヴィルの街は既に壊れかけていた。
まず電気系統が上手く機能してなくて街は暗い。ネオンサインも始終チカチカ点滅してる。寂れた地方都市風情なのもなんか納得。
そしてスパコン様の容量に限りがあるのか知らんが、毎日いろんな言葉や感情が「不必要」と判断され、言葉狩りに遭い消えていく。同じく人々の感情もどんどん失われてゆく。
それは博士の娘ナターシャも例外じゃなかった。

電子頭脳の手で「愛」を忘れた彼女の感情を戻すため、レミーはポール・エリュアールの詩を朗読する。
詩を通じて知と愛の戯れをいたすレミーとナターシャ。
詩を呟きながら2人が見つめ合うショット。
おお、ラブシーン突入か!

………。
見つめ合うショットばかりではないか。
やれよさっさと!007ならここで食ってるよ!
どうやらレミー・コーションは007よりゴルゴ13タイプのようだ。

さてメインシーン前のどん詰まりで、α60様がようやく「イワン・ジョンソン=レミー・コーション」と認識する。
おせーよ!
どこまで解析に時間かかってんだポンコツが。

で、再びα60中枢部へ連行され拷問を受けるレミーだが、拷問を見てナターシャが思わず涙してしまう。
やばい、これじゃナターシャが死刑になっちゃうってとこでいよいよα60VS地球人全面対決となったが、レミーはまずフォン・ブラウン教授をあっさり暗殺。
スパイ映画お約束の「無尽蔵に弾が出るピストル」片手に追手の警察と今いち緊迫感に欠けるカーチェイスして、α60のシステムごと破壊する。

いくらポンコツ電子頭脳でも壊れてさあ困った街の人々。
レミーがシステム中枢室を出ると、外に思考麻痺した人々が壁にベッチリ貼りつきぞぞぞと這いずり悶えていた。
そんなぞぞぞ集団からナターシャを救出し、車に乗せてアルファヴィルを脱出するレミー。
救出当初はα60に思考を思考され麻痺する彼女だったが、レミーから正気に戻る決めのキーワードを呼びかけられ洗脳が解けていく。
その言葉こそ、


「愛」

ベタやなー。

こうして最後は自由な感情を取り戻したナターシャが「あなたを愛してるわ」と初めて口にするという、直球ベタなシーンで映画は終わる。


★感想

まず何つってもアンナ・カリーナ様だ。
眼福眼福。

胸元のカッティングが可愛いワンピに、裾に白ファーをあしらったAラインのコート。
ゴダール好みの甘口お嬢様ファッションに身を包み、アンニュイな瞳で壁にもたれて煙草スパスパ。
綺麗すぎるぜアンナ様。惚れてまうやろ。
立ち姿からしてファムファタールだ。

★ゆるくさびれたSF風情が妙に癖になる

しかしアンナ・カリーナの美貌はともかく話はつっこみ満載映画である。

しょぼすぎるスパコンに統制された都市システムはいろんな意味でまぁこわい。
エロで下品でメケメケなうめめちなんか第10級誘惑婦にもなれず拷問漬けになりそうwその前に「理解不能デス」ってあっけなく暴走しそうw
昔遊園地好きに聞いた事がある、「最新鋭の絶叫マシンより、田舎のボロい遊園地のガタきてるマシンに乗る方がリアルで怖いんだ」という逸話を思い出した。

第3級誘惑婦とか壁ぞぞぞとかラストはベタとか、ツッコミどころは色々ありすぎるくらいだが
なかでも映画観た人なら全員がつっこみたくてしょうがないおまぬけポイントがラストシーンの、「なんで惑星都市から地球へ車で脱出できるんだ」であろう。
まじで普通の車で高速道路走って帰ろうとしてたぞ。途中で飛ぶでもなくワープするでもなく。
いや、そんな出張感覚で脱出されてもー。
遠隔通信でないと電話も届かない惑星のはずではー。

ちなみに『2001年宇宙の旅』は3年後の1968年製作、と考えるとSF映画として脚本の詰めが甘いんだが、これはこれで意外と面白かったりする。ゴダール食わず嫌いの方でも楽しめるかもしれません。

あと、特撮効果や宇宙なセットを一切使わずにあえて60年代の街ロケだけで押し通したおかげか、「寂れた地方都市っぽさ」を醸しだす結果となり(ロケ地はパリなのに…)、かえって普通のSF映画じゃ味わえない癖になりそうないい感じ風情が出てました。
60年代レトロスペイシーなインテリアも沢山出てきて、レトロスペイシー大好きなので目の保養でした。

(了)
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