No.054『ミネハハ 秘密の森の少女たち』

製作年:2005年
原作:フランク・ヴェデキント『ミネハハ』
監督:ジョン・アーヴィン
脚本:オッタヴィオ・イェンマ、 アルベルト・ラットゥアーダ
ジャンル:ゴシック耽美サスペンス

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あぁー。暑い。
うだるようにあっつい。
外を歩けば1分でゆでタコになりそな灼熱じゃあ昭和メケメケ映画も極物ドラマも観る気力が無い。

って訳でお盆は眼にも涼しく心も冷んやりするヨーロッパのゴシック映画を観て過ごした。
今回のお題は古今東西で根強い人気があるジャンル。
「美少女だらけの全寮制寄宿舎もの」

日本映画大好きのうめめちですが、
美少女寄宿舎ジャンルに限りヨーロッパに勝てるもの無しと断言できる。

いや、アジアものでも例えば
「振袖袴美少女だらけの大正ロマン寄宿舎」
「アオザイ美少女だらけのベトナム寄宿舎」
を極めた美麗映画があればよいのだが、美少女のルックスレベルはともかく、いかんせん和製アジア製は衣装・小道具・舞台装置がツメ甘い。
美少女寄宿舎は雰囲気でうっとりさせてナンボ。
サブカルガーリーテイストを武器にアメリカンオージー方面も頑張ってはいますが、今のところヨーロピアンゴシックのうっとりには敵わないのであります。

しかしまじでアジアンテイストで真っ向勝負な美少女寄宿舎映画を誰か作ってくれないかあ。
絶対観るけどなあ。
★予告編というかプレビュー動画



踏み絵にどうぞ。
美少女ロリータ目的なら踏み絵は必須!

★あらすじ(青字はネタバレ注意

舞台は森に囲まれた秘密の全寮制女子校。
生徒達は両親を知らない。
幼児の頃に何者かに誘拐された彼女たちは、外の世界と一切の接触を断って育てられる。

厳しい校長先生(ジャクリーン・ビセット)と女教師と女召使に監視され、生徒達はスパルタな躾を守り、バレエと礼儀作法と美貌を日々磨き上げる。
花嫁修業に似てるが何か違う。
自分が何者で将来どうなるのか生徒たちには一切知らされないのだが、17歳の最上級生になればバレエの舞台があり、学内オーディションでプリマに選ばれると勝ち組になれる事だけ知っている。

★プリマの道は戦い・策略・SMあり

メイン話は今年のプリマ争いの行方。

主人公ヒダラ(メアリー・ナイ)とライバルのブランカ(エミリー・ピム)はプリマを争ってたが、それぞれ弱みがあった。
ヒダラは同級生イレーネ(ハナ・テイラー・ゴードン)、ブランカはバレエ教師のゲルトルート(シルヴィア・デ・サンティ)と禁断の恋愛をしてるのだ。
秘め事を隠しつつバレエの稽古や躾に耐え、全裸を見られいやらしく撫でられるなんだかいかがわしい審査を経て、最終的にブランカがプリマに選ばれる。

一方で、最上級生でもプリマ争いより探求心や学校への不信感が勝る生徒は、怪しさ満点の寄宿舎の謎を探ろうと冒険したり、学校の恐怖の実態に耐え切れず脱走しようとするが、隠し扉の部屋に閉じ込められて餓死したり、犬に全身噛まれた末にモルヒネ薬殺されて消される。
地元警察も捜査はするんだが、学校のパトロン「公爵様」の権力で揉み消されるらしい。

さてバレエプリマ争いはクライマックスでどんでん返し発生。
イレーネがブランカとバレエ教師の関係をチクったため、棚ぼたでヒダラがプリマゲット。
公爵様と公爵夫人ヘレナ様(ガラテア・ランツィ)が特等席で見守る舞台が開幕する。

しかし公爵様がヒダラにおひねりの紅薔薇を投げた様子にイレーネがショックを受け、幕間に首吊り自殺する。
死体を見て激しく動揺したヒダラは、それでも最終幕のバレエを微エロ振りまきながら踊り切ると、「イレーネの仇!」と舞台に放火する。

ひぃー何しでかすのクソ娘!と校長先生は狼狽するが、「実は激しい娘が好き」な公爵様はお喜び。
ホッとするも束の間、校長先生はヘレナ様の命令で、これまでの殺人放火事件etc.の詰め腹切って自殺する。

そして勝ち組プリマのはずのヒダラはサド公爵様の館へ招かれるが、激しすぎるセックス漬けに耐えれず脱走。
ところが公爵邸の森の中を逃げて逃げて辿りついた場所は、なんと学校だった。
結局一生私は学校から出れないの!
ヒダラがとうとう狂って絶叫してジ・エンド。


★解説

という事で謎の全寮制学校の仕組みを解説します。

寄宿舎の正体とは公爵様の私設「花魁養成校」。
生徒をはじめ校長先生・教師・召使は全員卒業生。

誘拐や人身売買で集めた幼女を公爵様好みに育てあげ、最優秀生徒のプリマは公爵様が直々にお水揚げ。
激しい変態セックス漬けに耐えれば愛人になれる。

一番のアガリは公爵夫人ヘレナ様。
彼女も寄宿生からプリマになり、色々耐えて今日の座をつかんだらしい。
プリマになれなかった2番手以下の卒業生は、他のミニパトロンに水揚げされるシステムらしい。
パトロンゲットがダメなら教師になって一生学校に尽くす。
学校の掟を破った落ちこぼれは教師にもなれず召使に格下げ。生徒に絶対服従、口もきけない立場で一生終えるのだ。
なんという女の厳しい一本道wまぁ殺されるよりはマシですが。


★感想

見過ごしがたいデカい欠点が2コほどあるが
ゴシック風エロチックサスペンスとしてそこそこ良く出来た映画だ。
寄宿舎ものに不可欠な少女趣味衣装やインテリアもヨーロッパですからばっちり愉しめます。

制服は白襟セーラー服だし、バレエの衣装もありきたりなレオタードやチュチュじゃなくて、淡いピンク色や菫色のシフォンドレスですごく可愛い。白の下着に黒のニーハイストッキングのプライベート姿も可愛い。
先生達のドレスのブラウスも凝ったデザインだし、端役の衣装まで見どころたっぷり。
また図書室の隠し扉や秘密のバレエ劇場、のっぺらぼうの仮面をつけて給仕する召使達など、ゴシックホラーな雰囲気作りも手堅い。

★しかしこの欠陥は致命的すぎるだろ

しかしどんなに可愛くしつらえてもデカい欠点は見逃せない。もうあちこちのレビューで指摘済みだが。
肝心の主人公がなんで美少女じゃないのだ。

プリマを争うバレリーナのライバル設定ならば百歩譲って許す。しかしプリマ争いに勝つ役としてどうよ。
そりゃレズプレイもヌードもあるハードな役だから本物の10代女優が引き受けたがらない事情も察するが、
美少女養成校で育てられたNo.1の上玉なんだから、美少女中の美少女を連れて来んかい!
ライバルやレズ恋人の方が顔可愛くてどうする。

さらに、主人公にとびきりの美少女女優をブッキングできなかった理由を薄々察する、もうひとつのデカい欠点がコレだ。
ロリータエロチックの演出がいちいち下品でエグい。

そりゃまぁメケメケ下品ロマンポルノ有のレビューブログの主が言ってどうするよ?とツッコまれるのも重々承知だが、美少女寄宿舎ものでこんな露骨に下品におっさんウハウハテイストで描写する必要ある?

レズ召使はディープベロチューしてカミングアウト。
プリマ選びの裸審査は、選考役の貴婦人が恍惚の表情で太股まさぐるし。

イレーネ首吊り死体はベロが出たリアル仕様。
バレエ舞台の最終幕は脱がないけどストリップ紛いのエロ振付で(脱がないけど)、観客の男性陣が「エロいぜヒューヒュー♪」なんて総立ちだし。

極めつけはサド侯爵様の処女強奪シーン。
前からバックから突きまくり。凌辱AVじゃねーか。
もうちょっとソフトロリータ路線にして、美の質と雰囲気重視で攻めた方が良かったと思う。
せっかくのゴシックなガーリー衣装が泣くぜ。


とはいえ「美少女寄宿舎もの」がたまらなく好きならチェックして損は無い映画だと思いますよ。
最後に、悪のジャクリーン・ビセット校長先生様は、潔癖でドSで凛としたお美しさで良かったです。

(了)
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