No.066『オルランド』

製作年:1992年
原作:ヴァージニア・ウルフ
監督:サリー・ポッター
脚本:サリー・ポッター
ジャンル:歴史コスプレガールズムービー

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もうひとつ歴史コスプレもの。こちらは洋物。
ロマンチックで可愛い衣装がてんこ盛り。
レースもフリルもきらきらつきまくりなで、ロマンチック大好きおばちゃんがうっとりすること間違いなし。

しかし、話は…
話はだな…

うめめちは英古典文学にとても疎く、お恥ずかしい事にヴァージニア・ウルフの小説など今まで読んだ事がなかったが、映画を観てあまりに頭痛い話だったんで英文科卒の知り合いにたずねてみた。
「なあ…ヴァージニア・ウルフの小説って高校1年生の小説家憧れてます☆女子が、歴史と古典の教科書見ながら書きましたって感じのドリーム小説みたいなもんなのか?」

「まあ、そんなもんかも」と返答が来た。
そうなんだー。
★予告編



これでもかこれでもかとコスチュームプレイな予告。
現代編のマニッシュなシャツパンツがすてきぃ。

★あらすじ(青字はネタバレあり

時は16世紀、世界に冠たるイングランド王国。
主人公はかぼちゃパンツはいた中性的美貌の貴公子オルランド(ティルダ・スウィントン)。
人面犬と若い男の脚を寵愛するエリザベス女王(クウェンティン・クリスプ)から、「死ぬな、衰えるな、老いるな」と遺言を受け、若い美貌のまま生き続けるはめになる。
つまり英国版八百比丘尼である。

遺産代わりに女王の別荘を戴いたオルランドは親の跡を継ぎ、まぁ普通に結婚して貴族生活を送ってたが、あるイベントでロシア美少女サーシャ(シャルロット・ヴァランドレイ)に一目ぼれ。
嫁を捨てて駆け落ちしようと企てるが、あっさりサーシャに逃げられる。
「女は裏切る生き物だ」と知ったショックで6日間昏睡状態に陥るオルランド。人生の節目節目で昏睡する体質らしい(どんな体質だw)。
ていうか女に裏切られた程度で昏睡状態になるのかよ。どんだけ打たれ弱いんだオルランドw

さて目覚めてみたら、妻も女も無く寂しいやもめ暮らし。
時間はたっぷりあるので詩人ごっこしてみるが才能が無く、師匠の詩人からこきおろされる。
「暇を持て余すものの心は萎えていく」
凄いニート殺しの言葉だ。グッサリ刺さるわw

★100歳でニート脱出、200歳で女体化モテモテ

とかなんとかしてたら簡単に100年経過。
やっぱニートはいかん!と覚醒したオルランドは、志願して東方の国の大使をやっていた。
こっちは詩人生活より水が合ったのか勲章を貰う成果を上げたが、受勲式の日にダチのアラブ王様が敵に襲われて、やだー!戦って怖いよー!とショックでまた昏睡。

目覚めると、あれいつもと違う?と鏡をのぞくと
すっぽんぽんのティルダ・スヴィントンがいた
なんと100歳超えて女体化しちゃいましたー

英国に戻った女体化オルランドはしれっと社交界デビュー。200歳くらいだが絶世の美貌でもてまくる。
彼女に愛を捧げた男の中には、大使時代の同僚でその時からひそかにオルランドに恋してたハリー大公(ジョン・ウッド)がいた。
女体化した諸事情wを呑んで勇気出して告ったのに、オルランドったらあっさり振りやがる。

ふられて面目丸潰れの大公は、恨みのあまりに訴訟を起こす。
「あいつは女になってもうオルランド卿じゃないはずなのに、まだ領地を相続してるのはオカシイ」
裁判所は訴えを認め、オルランドは資産と屋敷を没収される。
オルランド人生最大のピンチ!

★ってところでお約束、運命の男登場です

そんな彼女の窮地を助ける(のか?)べく、アメリカ人の特濃イケメン冒険家・シェルマディン(ビリー・ゼイン)が唐突にやって来る。
多分300歳辺りで初エッチおめでとう。

真実の愛と男の味に目覚めラブラブな日々も束の間、残念ながら彼は世界中を旅する冒険家。束の間のラブラブが終わると、とっとと次の国へ旅立ってしまった。
また1人ぽつんのオルランドだが、もう寂しくない!
だってお腹には彼の子がいるんだもんー!
かくしてオルランドは100年ほど妊娠しながら、第1次大戦も第2次対戦もくぐり抜けて無事出産。

ラストは現代ロンドン。
オルランドはシングルマザーとなって娘を育てつつ、自分の数奇な自叙伝を書き出版社に持ち込む。
彼女は400歳くらいになって生まれて初めて、男も女も自由に生きれる現代社会で本当に望んでた自分の人生を歩むのです…
ってところで何とかハッピーエンド。

★感想

つまんねー。
あーつまんねー。
で、冒頭の「ドリーム小説かよ」って感想に戻る。

まとめサイトなんかのバナーによく出てくるちょっとエッチな漫画の広告ネタを寄せ集めて、気取った感じで淡々と進めたみたいなんである。
これでも映画は相当エピソードを端折ってるらしく、小説はさらにいろいろエピソードがあって、オルランドは男と女を何回か行ったり来たりするそうだが、私は映画でもう十分。小説は多分一生読まない。

じゃあ映画の感想なんか書くなって話だが、
ティルダ・スヴィントンが歴史コスプレするガーリームービーと割り切るととってもステキ。

ザ・中性的美人のティルダ・スヴィントンが、かぼちゃパンツから始まり、毛皮も東洋風も詩人風もロココもヴィクトリアンドレスも、400年分の男女ファッションをとっかえひっかえ。
元々スコットランドの森に棲む妖精みたいな浮世離れしたルックスなので、たいがい金キラド派手なコスプレもすんなり着こなしていらっしゃる。
何を着ても不思議に似合う体質で羨ましいですね。男コスプレも美青年に見えますし。
さすがに歩いたり走ったりすると女ですが。男装女子は動くと腰つきがモッチャリするのが難点ですね。

脇役では冒頭に登場するエリザベス女王役のクウェンティン・クリスプと、最後に歌うたうジミー・ソマーヴィルの、大物ゲイアイコン2名が強烈でした。
生きる人間孔雀みたいな女王コスプレと黄金に輝くゲイ天使という、一目見たらその晩悪夢にうなされそうな毒ゴージャスコスプレで花を添えてます。
この2人だけでも必見です。
ティルダ・スヴィントンとファッションに興味が無ければ途中は全部飛ばしてOK。

★だがしかし、ハリー大公かわいそう…

さて今回の気になる木。
もちろん可哀想なハリー大公である。

オルランドがハリーを振った理由は、別にハリー大公がタイプじゃないわー、という事情じゃなかった。
「女性がいかに男性から対等の人間とみなされず、弱くくだらない存在と見られており、心無く扱われる存在なのかという事が、女体化してわかったから」
とジェンダー系の話にありがちな理由なんだが、ハリーはそんな男気質の自分すら潔く認めてプロポーズしてるんだし。
「自分まだ男引きずってて結婚気分じゃなくてー」
「いやーなんか好みのタイプじゃなくてー」
の方がまだ救いがあったような。
そりゃ訴訟起こしたい気持ちになるわ。

しかも「その後は一生独身を貫きました」ならいいが、濃いイケメン冒険家とエッチする時はオンナな心情だだ漏れだったんでどん引き。
一発やって速攻捨てる男の方がよっぽど心無く扱ってるだろーがー!
つべこべ理屈を繰り出しても、やっぱ男はルックスか?フェロモンか?
役者が逆なら面白かったかもしれないですね。

(了)
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